ハリネズミの本箱
夜中に犬に起こった奇妙な事件

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152500090
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

内容説明

数学や物理では天才なのに、他人とうまくつきあえない自閉症の少年クリストファー。ある夜、近所の飼い犬が殺された。彼は探偵となって犯人を捜しながら、事細かに記録を取る。やがて驚くべき事実が明らかになり…事件を通して成長していく少年の心を描いた、『アルジャーノンに花束を』をしのぐ感動作。

著者等紹介

ハッドン,マーク[ハッドン,マーク][Haddon,Mark]
作家、脚本家、イラストレーター。イギリスで子ども向けの作品を中心に活躍している。作家としては、スマーティーズ賞候補となり、映画化が決まっているTHE REAL PORKY PHILIPSや、イギリスの子どもたちに大人気のAGENT Zシリーズなどを書き、脚本家としてはBBCのテレビやラジオの番組を数多く手掛けている

小尾芙佐[オビフサ]
津田塾大学英文科卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

66
アスペルガー症候群の少年クリストファー。近所の飼い犬が殺されたことから、彼は勇気を出して行動を起こします…。ミステリーのようなタイトルですが、これは障害を持つ一人の少年の物語。障害があるからといって、彼のまわりは必ずしも優しい世界ではないし、両親たちも信頼できる存在ではない。安易な成長譚にしていないところに好感が持てます。非常に評価が高いようですが、こういうテーマの作品をやたらと感動作と煽る風潮には疑問を感じます。2016/09/22

NAO

65
ここ数年読んだ本の中で、一番不快だった。まず第一に思ったのは、自閉症者と一緒に働いた体験があるとはいえ、どれだけ大勢の自閉症者とかかわりを持ち、彼らの考え方のパターンを知ったとしても、自閉症でない人間に自閉症の人の気持ちが本当に理解できるのかということ。私自身も何人もの自閉症者にかかわってきただけに、自閉症でない人間が自閉症者の心境はこんな風だろうと推測でものを書いていいのだろうかと思わずにはいられない。さらにひっかかったのは、クリストファーが原因である家庭問題の描き方がどうにも中途半端だということ。2017/08/21

ちえ

41
15歳の自閉症スペクトラムの少年が主人公。犬を殺した犯人捜しの中で知らされていなかったことを知ったり、困難を乗り越え最後、主人公が自己肯定感を上げ成長していったことはよかったと思える。ただし同じ障害を持っているわけではない作者が書いていること、これはクリストファーの物語で実際には一人一人違う、ということは意識しないではいられなかった。日本では2000年ごろから発達障害の早期発見に力が入れられてきている。この本が児童書(YA)として出版されたのが2003年、新書版が2007年、epi文庫で↓2019/09/13

ノコギリマン

38
読了。なんか普通にミステリー小説だと勘違いして読んだら、『アルジャーノンに花束を』感がすごい。こっちの勘違いなのでそこにブーたれる気はないけど、ヘンにヒューマニズムを出すわけでもなく、結末も個人的には好きなタイプだったので割と楽しく読めました。「なんだかんだあっても、みんな生きてかなきゃならんのよ」的なやつね。読んで思ったのは「親父、あんたがいちばん可哀想だ」でした。2016/04/19

いちろく

37
紹介していただいた本。数学や物理では天才なのに他人とうまくつきあえない自閉症の少年クリストファー(原文ママ)が、近所の飼い犬が殺された謎に挑む作品。自閉症という設定の主人公を、内容だけでなく装丁にも活かした実験作の印象。例えば、章番号が素数だったり、数学の問題が挿入されたり、表や図もやりたい放題という点でも、他の人との折り合いを求めない世界を上手く描いている、と感じた。それが読み手側が受ける印象すら無視する結果に繋がるだろうな・・・と思えた点でも。2019/03/02

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