出版社内容情報
海愛の人生は、腎疾患をもつ幼い妹を世話する日々だった――父や母とも心通わず、家族に縛られて自身の再就職もままならず、芽生えたのはすべて壊れてしまえばよいという思い。そんな時に「家族壊します」の看板を見かけ……サスペンスフルな新・家族小説!
【目次】
内容説明
海愛の人生は22歳になっても、先天性の腎疾患を抱える5歳の妹・渚沙の世話をする日々が続く。自身の再就職もままならず、母や父との関係は悪化の一途をたどり、苦悩と孤立を深めていった。その日、海愛は「ある内容が書かれた看板」に惹かれ、解体業者・折原と出会った。借金で倒産寸前の彼に向かって、海愛の口から自然と言葉が零れ出た。私の家族を壊してください―折原はつまらなさそうに言う。…看板に書いてあったのは「家族」じゃなくて、「家屋」だぞ、と…いびつな家族を意外な方法で解体させて救いへと進む道を鮮やかに描き出す、家族破壊(再生)小説。
著者等紹介
桜井美奈[サクライミナ]
電撃小説大賞を受賞し、2013年『きじかくしの庭』でデビュー。発表作が続々実写ドラマ化され、注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
60
海愛はヤングケアラー。父親も母親も家事に加えて病弱な5歳の妹の世話を失業中の海愛に押し付けている。「私の家族を壊してください」切羽詰まり、家屋解体業の折原に相談した海愛は、ひょんなことから、折原産業で営業と事務のバイトを始める。杜撰な経理でやる気の無い折原と、得意の経理に営業も担って折原産業を立て直そうとする海愛。ふたりの会話が楽しい。家屋と家族を間違えるなんてある?と思いつつも、様々な依頼に、家族の問題は、色々あるんだなぁと。最後の折原の家族の問題はびっくりだったけれど、海愛の明るい未来を信じて読了。2026/06/11
プリン
47
桜井美奈さんの作品は2冊目。題名からして家族の暗い内容かと思いきや、妹のお世話で行き詰まった海愛が解体業者折原と出会い、崩壊寸前だった海愛の家族が折原の行動と言葉で救われる。折原の会社で仕事をするようになった海愛が倒産寸前の会社を救うべく奮闘。不器用な折原と海愛のコンビが絶妙でホッコリする。事件が疑われる和菓子屋の解体の依頼を受けた事から折原の心の秘密に触れていく。「壊せば作るしかない」折原の信念の言葉。家の解体と家族の再生を上手く噛み合わせた物語。読みやすく楽しめました。2026/06/07
さちこ
36
文章のリズムが読みづらいと感じた。参考資料が今風だ。2026/05/30
さこぽん
32
「家屋解体」を「家族解体」と読み間違えるなんて。家族を壊す業者はおおっぴらに看板出してねえんじゃ??強引な始まりで読む気が削がれてしまったが、なんとか読む。海愛と折原の会話とやりとりが笑え、思ってたのと違ってて肩透かしを食らう。家族という入れ物を壊し解放されたい人の再生の物語だった。シリーズ化しそう。2026/05/24
sayuri🍀
23
「消したい家」「壊したい家」「生き続ける家」「死んだ家」4話収録の連作短編集。桜井美奈さんにはスリリングなミステリーを期待してしまうが、本作は家族という病と再生を描いた物語だった。主人公は、先天性腎疾患を抱える5歳の妹を世話する22歳の海愛。仕事を盾に家庭を顧みない父と、冷えた態度の母の間で、ヤングケアラーとして日々を送っている。だが家屋解体業の折原との出会いが、彼女の生活に静かな変化をもたらしていく。会話が多くテンポよく進む一方、描写に厚みが乏しく全体に軽さが残る印象。「雨降って地固まる」的な家族小説。2026/06/07




