出版社内容情報
魔術都市ミスルカラを支配する大魔術師のノーシュ・アレグラは、魔法が使えないソウルレスの弟子エスノダのために世界中の魔術を消去することを宣言、自由都市連合軍と熾烈な戦いを繰り広げた末に地下迷宮の奥に閉じこもる。魂と世界の在り処を探る15篇の連作
【目次】
内容説明
大魔術師ノーシュ・アレグラは、魔法が使えない弟子エスノダのために世界中の魔術を消し去ると宣言、地下迷宮の奥深くへと閉じこもる―表題作「土人形と動死体」のほか、世界は無限の広さをもつ平面が折りたたまれた球体であることを解明していく「独我地理学」、連続殺蜥蜴人事件の推理を通して意識の所在を探る「竜の命名」など15篇からなる、さながらファンタジー世界での『Self‐Reference ENGINE』にして、作家デビュー〈20‐1〉周年記念作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
160
円城版転スラあるいはフリーレン。魔王による哲学的な魔術戦。竜族·土人形(ゴーレム)·動死体·スライム·ゴースト·スケルトン·蜥蜴族·不死鳥らの世界に、仕舞いには読み手まで取り込まれ、この冒険譚は終焉し誕生する。作者から「なんでこんな面倒な設定にするか分かるよね?」と問われ、私は肯定ではなく、語尾を上げて「はい」と問う。2026/06/12
yukaring
65
魔術都市ミスルカラを作り上げた大魔術師ノーシュ・アレグラ。ノーシュは魔法が使えないソウルレスの弟子エスノダの為に世界中から魔術を消すと宣言、自由都市連合軍と熾烈な戦いを繰り広げ「アレグラの迷宮」と呼ばれる地下ダンジョンに閉じ籠る。魔術が存在する世界、森には多種多様のスライムとゴーレムやスケルトン、ドラゴンや魔王が跋扈する。この不思議な世界線で魂の所在を探る奇妙で不思議な短編が最後に繋がっていく構成。アレグラの迷宮をクリアするのは誰なのか?メタフィクションへと繋がっていく意外なラストがファンタジックだった。2026/06/09
雪紫
48
魔術と異世界のファンタジーかと思いきやかなりSFで哲学で、まさかゲーム世界なのこれ?と言う疑いも芽生えてきて、次第に振り回されていく。世界は、登場人物は、そして魔術とは。ある意味真理な魔道書・・・。2026/05/17
ヘラジカ
46
『葬送のフリーレン』や『ダンジョン飯』などの影響もあって最近また盛り上がりを見せている王道ファンジー世界を舞台に、円城塔の独特な形而上学的問いかけが展開する。相変わらず難解で読み飛ばしている部分も多い。しかし、ドラクエっぽくて今やチープにも感じる設定を借り正真正銘の文学をやろうとする試みは素直に感心してしまう。読んでいてソローキンの『テルリア』を思い出した。2026/04/25
ひさか
27
第1部Shell:土人形と動死体、スライム・コレクター、独我地理学、無名再帰書、天体顕微鏡、第2部Kernel:竜の命名、第六中枢、塔と橋、魔王、魔の王が見る、第3部Root:開戦、前哨、火の鳥、最後の戦い、手紙、の15の連作短編を2026年4月早川書房刊。魔術史、魔術論を駆使して魔術が存在する世界を構築し、時代毎の魔術の先端状況を描いてあるのが、面白く楽しい。弟子のために魔術を消すと宣言した大魔術師ノーシュ・アレグラが興味深く、表紙絵のアレグラが美しい。2026/06/28




