出版社内容情報
魔術都市ミスルカラを支配する大魔術師のノーシュ・アレグラは、魔法が使えないソウルレスの弟子エスノダのために世界中の魔術を消去することを宣言、自由都市連合軍と熾烈な戦いを繰り広げた末に地下迷宮の奥に閉じこもる。魂と世界の在り処を探る15篇の連作
【目次】
内容説明
大魔術師ノーシュ・アレグラは、魔法が使えない弟子エスノダのために世界中の魔術を消し去ると宣言、地下迷宮の奥深くへと閉じこもる―表題作「土人形と動死体」のほか、世界は無限の広さをもつ平面が折りたたまれた球体であることを解明していく「独我地理学」、連続殺蜥蜴人事件の推理を通して意識の所在を探る「竜の命名」など15篇からなる、さながらファンタジー世界での『Self‐Reference ENGINE』にして、作家デビュー〈20‐1〉周年記念作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
146
円城版転スラあるいはフリーレン。魔王による哲学的な魔術戦。竜族·土人形(ゴーレム)·動死体·スライム·ゴースト·スケルトン·蜥蜴族·不死鳥らの世界に、仕舞いには読み手まで取り込まれ、この冒険譚は終焉し誕生する。作者から「なんでこんな面倒な設定にするか分かるよね?」と問われ、私は肯定ではなく、語尾を上げて「はい」と問う。2026/06/12
yukaring
62
魔術都市ミスルカラを作り上げた大魔術師ノーシュ・アレグラ。ノーシュは魔法が使えないソウルレスの弟子エスノダの為に世界中から魔術を消すと宣言、自由都市連合軍と熾烈な戦いを繰り広げ「アレグラの迷宮」と呼ばれる地下ダンジョンに閉じ籠る。魔術が存在する世界、森には多種多様のスライムとゴーレムやスケルトン、ドラゴンや魔王が跋扈する。この不思議な世界線で魂の所在を探る奇妙で不思議な短編が最後に繋がっていく構成。アレグラの迷宮をクリアするのは誰なのか?メタフィクションへと繋がっていく意外なラストがファンタジックだった。2026/06/09
雪紫
44
魔術と異世界のファンタジーかと思いきやかなりSFで哲学で、まさかゲーム世界なのこれ?と言う疑いも芽生えてきて、次第に振り回されていく。世界は、登場人物は、そして魔術とは。ある意味真理な魔道書・・・。2026/05/17
ヘラジカ
44
『葬送のフリーレン』や『ダンジョン飯』などの影響もあって最近また盛り上がりを見せている王道ファンジー世界を舞台に、円城塔の独特な形而上学的問いかけが展開する。相変わらず難解で読み飛ばしている部分も多い。しかし、ドラクエっぽくて今やチープにも感じる設定を借り正真正銘の文学をやろうとする試みは素直に感心してしまう。読んでいてソローキンの『テルリア』を思い出した。2026/04/25
いちろく
22
円城塔氏が描くファンタジーと知り手に取った一冊。スライムやゴーレム、魔王に竜などゲームや冒険モノではお馴染みの登場キャラが描かれているが、紡ぎ手が著者である時点で他の著作と変わりない。並列計算機のような装置も登場すれば並行世界のような概念も記載されるし、辿り着いた先には読者も巻き込むようなメタ的な提示もされる。「様々な苦難を読み越えて」と作中で書いてしまうのだから……、書店に溢れているライトなファンタジー小説とは一線を画す。それでも読み手の一人として最後までワクワクしながらページを捲ったのも本当なのだ。2026/06/09




