出版社内容情報
トロイア滅亡後、女たちはギリシア軍の「戦利品」となった。息子を殺した男に仕える者、生贄として娘を差し出さねばならなかった者、望まぬ子を腹に抱える者……封じられてきた女たちの声が響き渡る。ブッカー賞作家が贈る『イリアス』語りなおし三部作第二弾
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
38
現代的なフェミニスト文学として強力無比の作品であるのみならず、ギリシャ神話を再話・再構築した文学のなかでも最高峰に位置する快作。壮大な神話において”端役”である人物を、忘れられない主役へと押し上げたという点においてはマデリン・ミラーの傑作『キルケ』にも匹敵する。そしてこの作品の肝は、英雄たちによって奴隷にされ、戦利品にされて虐げられる女性たちを描いている「だけではない」ことにもある。男性性によって苦しめられる被害者は、当の男性たちであるという、現在にも通じる”呪い”をも巧みに描いている。素晴らしかった。2026/03/20




