出版社内容情報
憂愁の都市、イスタンブール。自殺した日本人音楽家の不可解な遺書について、左遷明けのオヌール警部補や漫画オタクのジャン巡査部長は捜査を始める。在トルコ日本人たちの複雑な人間関係、さらには連続女性転落死との恐るべき?がりが浮き彫りになり……。
【目次】
内容説明
憂愁の都市―イスタンブール。自殺した日本人音楽家ヒデミの遺書は、ある人物たちを「犯罪者」として告発していた。パムクを愛読する左遷明けのオヌール警部補、彼の部下で漫画好きのジャン巡査部長、そして本庁国際犯罪課のエリート刑事・セルピルの三人は、その謎めいた告発の裏取り捜査を進める。やがて、在トルコ日本人コミュニティの特殊な人間関係が浮かび上がり、さらには相次いで発生していた女性転落死事件との恐るべき繋がりが見えはじめ…。イスタンブール警察の長い長い一日を、緻密なプロットと規格外の筆力で描ききった、第15回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
153
最近、毎年楽しみにしているアガサ・クリスティ賞大賞受賞作、今回も読みました。以前旅したイスタンブールが舞台で、楽しめましたが、選評の通り1日のドラマの割には、緊迫感があまり感じられませんでした。「同志少女よ、敵を撃て」のような傑作は、中々出て来ないんでしょうね。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0005210477/2026/01/27
薦渕雅春
25
初めて読む作家さん。第15回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作の著者のデビュー作。「ギリシャの神々の時代から大地を切り裂き、新たな水と気を運び続けてきたボスポラス海峡」「春のイスタンブールは、天上の誰かが創造した傑作中の傑作だ」異国の地、行ってみたい都市の1つ、イスタンブールを舞台に読んでいて気分も上がる。ミステリーとしてもよく練られていて、デビュー作としてこれだけのボリュームのストーリーを紡げるのは凄いと思う。ただ、少し読み辛かったという印象。登場人物も多く、名前が横文字なのも原因か? 力作ではあったか。2026/03/10
よっち
24
憂愁の都市イスタンブールを舞台に、自殺した日本人音楽家の不可解な遺書について、左遷明けの警部補や漫画オタクの巡査部長が捜査を始めるミステリ。呪詛めいた遺書、在トルコ日本人コミュニティの複雑な人間関係、街で頻発する女性連続転落死の繋がりが浮かび上がるストーリーで、複数の視点から一日を追っていく構成は登場人物がやや多過ぎた感はあったものの、チューヅマたちの閉塞した世界、トルコ警察チームの多言語・多様な様子も興味深く描かれていて、警察小説として事件の解明だけでなく、イスタンブールの都市描写もなかなか圧巻でした。2026/01/15
いなばさくら
23
第15回アガサ・クリスティー大賞受賞の、長編ミステリ。選評では警察ミステリと触れておられる方が複数でしたが、現代トルコ・イスタンブールが舞台なので一般的な警察ものの感覚はほとんどなかった。日本人も多く登場するけど、カタカナ人物が多すぎてなかなか読むペースが上がらなかったけど、これはわたし個人の能力不足。視点人物が数ページごとに変わるし決して読みやすくはないですが、何となく分かった気になって読めなくもない、上手な作品でした。デビュー作とはいえ今年60歳の文学者さんらしい。次作もあるかな?2026/03/29
練りようかん
22
アガサ・クリスティ賞きっかけ。自分を死に追い詰めた三人を告発した遺書によって動かされる人間たちを描く。連続転落死亡事故とのつながりを確信しながら、登場人物たちを理解するため過去へ過去へと意識は向かうが、前提として遺書を本当に本人が書いたのか疑問を感じた。不気味なのはその女性の像で、特別な遺書を受け取った男性と妻の怯えがどうにも頭から離れず、その怖い女性をコントロールするもっと怖い存在がいるのかと気分はホラーだった。謎が深まるというより分散した不審点が一足飛びにある可能性を浮き上がらせるという印象を受けた。2026/01/13




