出版社内容情報
僕らで南洋植物専門の標本館を作らないか?――日本統治下の台湾。漱石を読み、端正な日本語を話す陳は、台湾生まれの日本人・琴司と共に植物学者を志した。だが養父母の期待を背負った陳は、意思とは裏腹に医学の道へ。琴司は台北帝大に進み、帝国委任統治領南洋群島への採集旅行に出掛けた。一方、自らの道に行くと決めた陳は、陸軍属の技師としてニューギニア探検へと向かう。波瀾の運命を生きる台湾人青年の大ロマン
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
15
台湾やインドネシアを舞台に第二次大戦を背景として、日本に住んだこととない日本人(台湾生まれ)と日本占領下の台湾に生まれ、日本国籍を持たされた台湾人という2人の植物学者の人生を描いた。読み始めは、とても良い本なのでは、という予感に喜んだ。だが、中盤から、内容が生乾きしているようで、あまり夢中になれなくなった。占領された国の人々のアイデンティティーに焦点を当てるなど、評価できる点も多くあるんだけどなぁ。なんというか、書いてあることが熟成されていないというか……難しいね。 2025/08/20
TI
5
戦前から終戦まで。台湾人と台湾に住んでる日本人。この2人が植物学者となっていく。学校から高校、大学、戦争と時代は進むが長い。もっと短い方がよいと思う。2025/08/12
spike
2
台湾、南洋の島々、インドネシアを舞台に二十世紀を生きた2人の植物学者の人生をめぐる大河ストーリー。とてつもないリアリティに圧倒された。決して強くもなく人間臭い姿を描く解像度の高さを堪能。2025/08/17
ゆり
2
図書館本。設定などは好きだけど、進みがゆっくりすぎて150pほどで挫折。また時間があるときにじっくり読もうと思います。2025/08/14