出版社内容情報
五年前の強姦事件の被害者リザは控訴審の弁護をアリスに依頼した。アリスが調査を進めると、当時15歳のリザの嘘により誤審が下ったことが判明する。嘘をつかざるを得なかった少女の痛み、社会の偏見により歪む司法……法廷記者の著者が放つ繊細な倫理の物語
【目次】
内容説明
弁護士のアリスは、ある強姦事件の控訴審を引き受けた。勝訴は間違いないと思われた。若くかよわい少女であった依頼人は、世間が求める「被害者らしさ」を備えていたからだ。事件は5年前に起きた。依頼人のリザは当時15歳、被告人の男は当時32歳。男には窃盗、乱闘、飲酒運転、侮辱罪など複数の前科があった。誰もが男の有罪を信じ、哀れな少女のために学校中が証言に協力した。しかしアリスが調査を進めると、リザの嘘が誤判を招いたと判明する。少女はなぜ嘘をつかなければならなかったのか?社会の偏見が司法に与える影響とは?リザの心に触れ、真実の輪郭が見えたとき、アリスの心に宿ったのは少女を最後まで弁護するという揺るぎない意志だった。ゴンクール賞、アンテラリエ賞ノミネート!法廷ジャーナリストの著者が放つ繊細な倫理の物語。
著者等紹介
伊禮規与美[イレイキヨミ]
東京外国語大学外国語学部イタリア語学科卒、フランス語翻訳家
ロベール=ディアール,パスカル[ロベールディアール,パスカル] [Robert‐Diard,Pascale]
1961年生まれ。ジャーナリスト、作家。1986年にル・モンドに政治記者として入社し、2002年からは同紙の法廷コラムニストとなる。ジャーナリストとして活躍する一方でエッセイや実録小説を多数執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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