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出版社内容情報
イスラエルの企業が開発した、通話やメールから位置情報まで、スマホのあらゆる情報を外部から監視可能にするスパイウェア「ペガサス」。このソフトが世界中でジャーナリストや人権活動家の弾圧に悪用されている実態を暴いた記者たちによる、執念の調査ルポ。
内容説明
サウジアラビアやインドほか、世界中の強権・専制国家で盗聴・監視・脅迫に使われるイスラエル企業製スパイウェア、その戦慄の実態を暴く。
目次
リスト
「やり遂げてくれるものと頼りにしています」
最初のステップ
プラザ・デル・メルカド
自由市場で生きて死ぬ
誘惑
「第一サークルを閉じる」
時間と資源が足りない
「ポジティブな方向で」
三月の三日間
「国王に払うべき敬意に欠ける」
「壊れやすく、希少で、必要」
「前には見逃していたこと」
たったひとつのすべきではないこと
「新しいテクニック」
「調査の非常に重要な道筋」
「わたしだけじゃない」
国益が普遍的価値かという選択
「これはデカい話になる」
さあ、始まったぞ
「本当の事実なんだ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
127
大統領のスマホが盗聴器と化して国家機密を流出させたら。そんな悪夢を実現させるスパイウェア「ペガサス」が違法な監視活動に使われている実態を、ジャーナリストチームが公開するまでを描く。専制国家が反体制運動家を弾圧し、独裁者が隠し財産を取材する記者を黙らせる便利な道具となっていた。国家安全保障のためなら手段を選ばないのが国際政治の常識だが、ここまで来るとテクノロジーによる恐怖支配が実現している。ペガサスを生んだイスラエル企業は報道により崩壊したが、一度広まった技術は消えることはない。需要ある所に供給は続くのだ。2025/03/23
Abercrombie
4
イスラエル企業NSOが開発したスパイウェアが、強権国家の監視活動に使われてきた実態を、ジャーナリストの協働プロジェクトが暴くルポルタージュ。話は興味深かったけど、強権国家の人権抑圧、被害者たちのスマホの分析、彼らのプロフィール、この繰り返しばかりが長くてちょっと飽きる。NSOは消えても強権国家やスパイウェアがなくなるわけではない。やりきれない現実はまだまだ続く。2025/03/12
読人
3
ジャーナリスト達がスパイウェアの大手企業NSOに立向う!的な内容だがいろいろスッキリしないところも。そもそも本編と直接関係ない個々のジャーナリストのエピソードが半分以上の分量を締めていて、分量的に半分でよいのでは?と思う。NSOという企業を問題視しているが、やっぱり問題の本質はそれを悪用している各国の政府機関でしょう。解説が池上彰氏で単に本書のあらすじをなぞるようなないようなのもいただけない。NSO、ペガサス、イスラエル政府についてはよく調べられており大変面白かったので無駄が多いのが残念。2025/06/07
アムア
3
イスラエル企業のNSOが開発したスパイウェアペガサスに関して調査報道側の目線でまとめた本。ゼロクリック攻撃の手法はかなり衝撃的だが、誰にでも無差別に適用されるようなものではない。その理由は手法がバレるとパッチがすぐに適用されてしまいコスト回収ができないから。 それでも、技術が高度化しながらこのような手法はたびたび出現する。2025/03/02
shige
3
調査報道ものルポ。 イスラエル企業製のスパイウェア「ペガサス」が、ジャーナリストや人権活動家の監視や弾圧に悪用された実態を暴いたもの。 ジャーナリストたちが端緒となる情報を把握した後、執念深く証拠を集めていく姿に尊敬する。 NHKでも報道されたので存在は知っていたものの、実際に読むと非常に恐ろしい。 スパイウェアといっても特定のアプリがインストールされるわけではなく、遠隔操作されて録音からカメラを利用した盗撮までできる…というものらしく、スパイ映画を見ているようだった。 プロの仕事に頭が下がります。2025/02/10