出版社内容情報
死後結婚用マッチングアプリ「KonKon」が普及した社会で、推しのアイドルの秘密のKonKonアカウントを見つけてしまい感情爆発した社会人女性がとんでもない凶行へと驀進してしまう表題作のほか、この現実とちょっとだけ異なる世界の謎と関係性の物語、全6篇!
内容説明
ここ数年で死後結婚のイメージは大きく変わった。KonKonというマッチングアプリが社会に広まり、若者たちの間で登録者が激増したのだ。そして、私の推しである神宮寺浅葱がKonKonのリア垢を持っていることを、私だけが知ってしまった。このままでは私は、死ねば推しとマッチングして結婚できてしまうかもしれない―。表題作のほか、未来のゲームRTA大会を描く「ゲーマーのGlitch」、地獄行き回避を専門とする企業小説「閻魔帳SEO」など、異常すぎる状況に情緒を狂わされる極上のミステリ人間模様、全6篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
299
芦沢 央は、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、バラエティに富んだSFミステリ短編集でした。 オススメは、表題作『魂婚心中』&『九月某日の誓い』です。 https://www.hayakawabooks.com/n/na44f3325caf4 2024/07/24
イアン
187
★★★★★☆☆☆☆☆SF要素を含んだ芦沢央の短編集。偶然「推し」のアイドルがリア垢で死後婚活アプリに登録していることを知ってしまった私。同じタイミングで死ねば――そう考えてしまった私が取った行動とは…(「表題作」)。死後結婚の概念がある世界や嘘をつくと消失する世界など、様々な「特殊設定」が特徴的な本作。正直、近未来のゲーム実況や閻魔帳のアルゴリズム解析に「これは何を読まされているのだろう」と迷子になりかけたが、「この世界には間違いが七つある」の真相には痺れた。短編の名手・芦沢央が描く6編の非日常ミステリ。2024/12/17
hirokun
171
★3 今回の芦沢さんの作品は、SF短編集。私は、想像力に欠けるためかSF小説は苦手な分野。どんな作品なのかと思いながら読み始めたが、意外に飛びきったようなSF小説ではなかったため最後まで読み切ることが出来た。芦沢さんの作品は、社会派モノや、少しエスプリを利かせたようなミステリが好きなのだが、特に後半の二作品はなかなか興味深いものだった。最初の作品に出てくる死後婚姻<冥婚>の風習については知らなかったのでいい勉強になった。2024/07/27
イケメンつんちゃ
154
芦沢央 単行本を読んでみました 飛龍十番勝負 第六十二弾 今回は 芦沢央先生 前から読んでみたかった作家さん ふらりふらり おさびし山を彷徨っていたら あなた しましょしましょニュアンスしましょ 秘めた想いほんのり香る ねずみ色のコートに 犬神家の一族のオープニング 赤と白の極太明朝体 オチの落とし前をつける SFは本当諸刃の剣 自由はムズい ひとつご紹介を 「二十五万分の一」 ドラえもんをたぶんオマージュされたかと USO800 (どっかで聞いたことが) それでも地球は青い なにわのブラックダイヤモンド2025/04/11
しんたろー
148
好きな芦沢さんがSFミステリ短編集を出したと聞いて…表題作は、死後結婚という制度が確立した世界でのアイドル推しの話。『ゲーマーのGlitch』は、近未来のゲームバトルの実況中継。『二十五万分の一』は、嘘をつくとその人が消滅する世界の掌編。『閻魔帳SEO』は、地獄か天国へ行くのが判る世界での話。『この世界には七つある』は、ある部屋に閉じ込められた人々の話。『九月某日の誓い』は、大正後期~昭和初期にかけて超能力が絡んだ話。SFと言うよりダークファンタジー的な味わいで、著者らしい捻りが効いていて充分に楽しめた。2024/08/16