出版社内容情報
デビュー作で思わぬ反響を呼んだ作家。次作の契約が決まるも原稿は一文字も進まず、前金は旅行に消えた。ある物理学者の回想録ゴーストライターの仕事が決まるも学者は失踪。このまま消えるかサイケデリック療法か。窮地に立たされた作家の精神世界を巡る長篇
内容説明
ぼくはローマから高速鉄道“フレッチャロッサ(赤い矢)”に乗ってモデナへと向かっている。多額の借金を返済すべく、イタリア人物理学者の回顧録のゴーストライターをしていたけれど、失踪してしまった彼をさがし出すために。車中でぼくは思い出す―画家として失敗し、まぐれ当たりで作家になった日々、第二作が全く書けない苦痛、カリフォルニアでの幻覚剤療法。そして、物理学者の回顧録はこう始まる―“時間は起点と終点のある一本線ではない。さまざまな先端を持つ一本の矢なのだ”。自身も最初の詩集で高評価を受けた作家が、自信喪失の作家の苦悩をユーモアを交えながら描き出す、デビュー長篇にして傑作。
著者等紹介
ブルワー,ウィリアム[ブルワー,ウィリアム] [Brewer,William]
ウエストバージニア州出身。初の詩集で、オピオイド禍と貧困をテーマにしたI Know Your Kindが2016年にナショナル・ポエトリー・シリーズを受賞。長篇デビュー作となる『レッド・アロー』は、2023年のカリフォルニア・ブック・アワード(カリフォルニア州在住の作者の作品に与えられる賞)の銀賞に輝いた。現在、スタンフォード大学でクリエイティブ・ライティングを教えている
上野元美[ウエノモトミ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヘラジカ
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果てなき冒険たまこ