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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
44
下巻でも集中力は途切れず一気読み。「細胞」を細分化していくうちに道に迷ったような気分になるのでは…と心配していたのですが、細かく読んでいくことで、全体像がはっきりしてきます。だってどんな機能であれ細胞は細胞だから。上巻できっちり頭に入った原則が「細胞」の反逆も説明する。その感覚が小気味よかったです。また一つ、彼が人の体をテーマにした抒情詩を完成させたーそんな読後感です。おおいなる「はたらく細胞」です。マンガ、著者にも読んでもらいたいな…とふと思いました。2024/07/09
ぐうぐう
41
解説で仲野徹も指摘しているように、「がん」や「遺伝子」と比べると「細胞」というテーマは、あまりにも多岐に渡り過ぎていて散漫になってしまうのではないかとの懸念を、本書は一蹴している。章ごとに魅力的な人物を配置し、比喩表現を巧みに織り込み、ユーモアたっぷりに紹介していくムカジーの手腕は只事ではない。しかも、多岐に渡るとイメージする「細胞」がこちらの想像以上に多岐に渡っていることを知らしめるのだから、さらに驚かされる。(つづく)2024/04/04
かんやん
24
下巻は、エイズ(完璧な病原体)、自己免疫疾患(自己と他の分別)、新型コロナ、著者自身の鬱病、糖尿病、そして最後にガンについて語られる。細胞や内臓の機能について簡単に知りたいのなら、もっと相応しい本(イラスト入りの)があるだろう。でも、これは研究者による発見の歴史と、医療に携わる者と患者のドラマでもあるのだ。解説で仲野徹が書いているように「それぞれの研究の物語、すべてが大興奮の短編冒険小説のようだ」。ただあまりに範囲が広いので、知識のない自分では全てを把握することはできなかった。いずれにせよ「謎は尽きない」2025/10/12
わたなべよしお
22
生命(人間)の基本単位は細胞であり、遺伝子というより遺伝子をも含んだ細胞全体とその相互作用の理解が必要だ。つまり病気の治療とは細胞の治療なのだ、という主張はよく理解できる。また、ニューヒューマンという言葉を限定的に使おうとしているが、どうだろう?本人も書いている通り、治療と人間拡張の線引きは難しい面がある。この辺については、本書では突っ込んだ議論をしていない。まぁ、今回も読む価値のある本でした。2024/02/22
おだまん
9
個々の細胞から組織の挙動としてのまとまり、生命体の維持へ、そしてがん細胞へ、医療の本質に迫るグランドフィナーレ。技術の革新と倫理的な問題は「遺伝子」「がん」の著書にも繋がる問題提起なのだなと。2024/03/23
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