出版社内容情報
李 琴峰[リ コトミ]
著・文・その他
内容説明
言語と文化、死と出生、性と恋愛、台湾と日本、読むことと書くこと…つくられた境界を越えて、しがらみのない世界で生きるために。史上初の台湾籍芥川賞作家・李琴峰による初エッセイ集。
目次
創世の代わりに―序に代えて
第1章 声―言語を行き来して
第2章 生―この世に生まれて
第3章 性―存在の耐えられない重さ
第4章 省―旅と歴史と省察と
第5章 星―芥川賞受賞記念エッセイ
第6章 静―読書と映画
対談
著者等紹介
李琴峰[リコトミ]
1989年台湾生まれ。小説家、翻訳家。2013年に来日し、2017年に『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、デビュー。2019年に『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川龍之介賞候補、第41回野間文芸新人賞候補となる。2021年に『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨新人賞を受賞。同年、『彼岸花が咲く島』で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
167
李 琴峰、4作目です。著者の初エッセイ、ライトなエッセイではなく、芥川賞作家らしくHeavyな内容でした。著者の人となりが良く解りましたが、自身の性的嗜好(レズビアン&真正のM女)をカミングアウトしているとは思いませんでした(驚) https://www.hayakawabooks.com/n/n1bd0259c36a7 【読メエロ部】2022/09/13
ネギっ子gen
56
【あなたたちに届けるために。言葉を紡ぎ続ける。私は作家であり、言葉しかないのだから】“物語という嘘つき装置を脱ぎ捨てた素顔”を見せた初エッセイ集。王谷晶、野崎歓との対談も収録。2022年刊。<それは膜を隔てた伝言ゲームのようなもので、常にうまくいくという保証はどこにもない。時には大失敗に終わり、傷だらけになることもあるだろう。時には膜だと思っていたものが、実は穴が開きそうにない銅牆鉄壁だったと気付くこともあるだろう。それでも私は言葉を紡ぐ。透明な膜の向こう側にいるかもしれないあなたに届けるために>と。⇒2025/07/23
じょんじょん
34
素敵な装丁、そして言葉の大事さを痛感するエッセイです。言語、生、性、旅、芥川賞受賞、読書と映画いろいろな切り口でも彼女の源泉にあるものは、自由への絶対的な欲求なのですね。「言葉の壁」ではなくそこにあるのは、乗りこえることのできない「透明な膜」それは言語に限らない。あんなにも素晴らしい日本語を操る作家が未だにそのように感じているとは衝撃でした。マイノリティをくくりで考えるマジョリティになっているのではないか、と気づかされた。繊細な言葉を紡ぎながら、信念を言葉で伝え続けるという作品の裏にある決意を感じました。2022/10/11
いちろく
28
著者の人生や作家業、性的嗜好をはじめ深く内面に切り込んだ自身を描いたエッセイ。日本と台湾、性別、価値観、環境など経験した様々な差異の体験を壁として隔てるのではなく、膜として捉えている状況が興味深くベージを捲っていた。高い自尊心を持つ一方で、特に作品に対しての他人からの評価を強く意識していることも分かり、著者の内面のアンバランスさが伝わる内容でもある。考え方に全て同意できるわけもなく、かと言って全てを否定するわけもない。著者と読者である私の間にも壁はないが膜はあるのだろうな、と意識せざるをえなかった。2022/11/11
tom
22
著者は、あとがきに「台湾の地方出身者」「女性」「性的少数者」「外国人」「非母語話者」などのマイノリティ属性を押し付けられていると書く。彼女は、それらを「透明の膜」と語り、容易には越えられないけれど、この世界を少しでも風通しのよいものにするため、懸命に努力して風穴を開けると語る。そして言葉もそのための道具の一つだと。こういう考えで小説を書いてる人もいるのかと感じたのでした。言葉に対する感覚の鋭さは、マニアックでフェティッシュだけど、このこだわりはとても好きです。2022/10/11




