出版社内容情報
ある年のクリスマス、大富豪の一族が屋敷に集まった。偏屈な老当主リーは、仲の悪い家族をあおるように遺言書の書き換えをほのめかす。その夜、鍵のかかった部屋で喉を切られ血の海の中で死んでいるリーが見つかった。聖夜に起きた密室殺人にポアロがいどむ!
内容説明
クリスマス・イヴの夜、意地の悪い大富豪シメオンがありえない状況で殺された。ドアには中から鍵がかかり、窓もふさがれていたのに、犯人が部屋にいなかったのだ。館にいたのはシメオンの家族と使用人だ。跡継ぎとして父親に振り回されていた長男、犯罪歴のある次男、金に困っている三男、執事や世話係…犯人は誰か?どうやって部屋から消えたのか?ポアロが挑む。小学校高学年、中学生~。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ] [Christie,Agatha]
「ミステリの女王」と呼ばれ、親しまれる小説家。1890年、イギリスのデヴォン州に生まれる。1920年、『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。本作で生まれたエルキュール・ポアロというキャラクターは、シャーロック・ホームズ以降のミステリ小説でもっとも人気がある探偵となった。クリスティーの作品は、英語圏で10億部以上、そして翻訳された100を超える言語でさらに10億部も読まれている。1976年、死去
川副智子[カワゾエトモコ]
早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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assam2005
24
ポアロ流クリスマスの過ごし方は、やはり殺人事件とその推理。大富豪で性格の悪い父親、そしてその父に群がるひとクセもふたクセもある息子とその嫁達。そこに家族の誰もが知らなかった孫娘が現れ、相続問題の果て、密室にて父惨殺。王道とも言えるこれらの材料をクリスティがどう扱うか。読了後のネタバレありの解説を読み、クリスティの仕掛けの奥深さに驚いた。え!こんなにたくさん伏線仕掛けられてたの?!取りこぼした数々の伏線を回収しなけりゃもったいない!そことそこ、掛けてたのね?伏線回収失敗。負けたままではいられないじゃないか!2023/12/14
ひより
9
クリスマスらしいものを(第二弾)。 タイトルだけ見て借りたら子供向けだった。 ポアロシリーズは読んだことがないので、いきなり途中のものを読むのはどうかなぁと思ったのだけど、まぁいいかと読んでみた。 クリスマスに起こった惨劇。 密室で派手に殺された大金持ちのリー氏。 集まっていた人々それぞれには彼を殺める動機はありそう。 一体誰が? 子供向けの翻訳でほんの少し違和感があったものの、犯人が判明した時にはしっかり「ええっっ!?」と驚くことができたし、満足満足。 2023/12/06
一柳すず子
6
このシリーズ読みやすい。リディアはもっと柔らかい雰囲気の美人なイラストにしてほしかったな。2023/03/05
たつや
4
冒頭の「親愛なるジェイムズ」の一文が、洒落てるな。根夫のない時代はこうして、誰々に捧ぐや、親愛なる読者諸君等の文が見れるが、色々想像できてワクワクします。本編は富豪宅での血みどろの密室殺人事件ですね。凄く面白かったです。流石クリスティ!2024/05/10
corriedale_
2
かわいいポアロのシリーズ。海外富豪一族の名前おぼえられない問題(特に女性は名前だったり〇〇夫人だったり)が、案外にイラストで助けられる。お屋敷モノは一族の確執云々や会話劇も醍醐味なのだろうけど ぼくはこのくらいでいいや...。訳者との相性なのかとても楽しく読めた。ぶっちゃけトリックと推理に納得したかは別にして。2024/03/12