出版社内容情報
遠い太陽の光が海辺の1日に降り注ぎ、生まれては消える波のうねりを情感豊かに描き出す。男女6人の独白が物語るのは、幻想のように過ぎた半生の思い出。くり返す描写と語りが重なるとき、意識が風景に打ち解けていく。ウルフの傑作が、45年ぶりの新訳で甦る
内容説明
20世紀初頭のイギリス。遠い太陽の光が海辺の一日を照らし、生まれては消える波のうねりを描き出す。そこに重なるのは、男女6人の独白。いくつもの声が、幼少期から晩年まで、幻想のように過ぎた日々の思い出を物語る。くり返す描写と語りが重なり、繊細な感覚と記憶が波音と響き合う。作家みずから劇=詩と呼び、小説の純粋性を追求した作品であり、後世に多大な影響を与えた、ウルフ文学の到達点。詩情豊かな訳文による、45年ぶりの新訳。
著者等紹介
ウルフ,ヴァージニア[ウルフ,ヴァージニア] [Woolf,Virginia]
1882‐1941。イギリス・ロンドン生まれ。文芸批評家レズリー・スティーヴンを父に持ち、幼い頃から書物に親しむ。両親の死後、兄弟姉妹でロンドンのブルームズベリー地区に移り住み、後に「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団を結成。1912年、グループの仲間であるレナード・ウルフと結婚。33歳で作家デビューし、「意識の流れ」と呼ばれる文学的手法を駆使したモダニズム作家として注目される。主な作品に『ダロウェイ夫人』(1925)、『灯台へ』(1927)、『オーランドー』(1928)などがある。小説以外にも批評作品の発表や、夫とともに出版社「ホガース・プレス」を立ち上げるなど、批評家・出版事業者としての側面もあわせ持っていた。生涯にわたり心の病に苦しめられ、第2次世界大戦中の1941年に入水自殺で亡くなった
森山恵[モリヤマメグミ]
詩人・翻訳家。聖心女子大学大学院文学研究科英文学専攻修了。訳書『源氏物語 A・ウェイリー版(全4巻)』紫式部(英訳:アーサー・ウェイリー、日本語訳:毬矢まりえ+森山恵)同書の翻訳で2020年ドナルド・キーン特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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