出版社内容情報
人間は社会に属することで一つの集団としての属性を強める一方で、集団外の人を違うものとみなして敵視することがある。他の生物と比較して、なぜ人間は小さな違いにこだわり、仲間と敵を区別するのか。人間社会の成り立ちを生物学的な見地から解き明かす。
内容説明
人間社会は動物の群れや昆虫社会とどこが似ていて、どこが異なるのか?先史時代における狩猟採集民の生活から現代のフェイスブックでのコミュニケーションまで、人と人が交わることで生まれるコミュニティの成立背景について、フィールド生物学者がチンパンジーの群れやアリの巣の生態と比較しながら探索する。
目次
第1部 帰属と認識(社会がそうでない姿(および、そうである姿)
脊椎動物は社会に属することから何を得るのか
離合集散する社会
個々を見分ける)
第2部 匿名社会(アリと人間、リンゴとオレンジ;究極的な国家主義者;匿名の人間たち)
第3部 近年までの狩猟採集民(バンド社会;遊動生活;定住)
第4部 人間の匿名社会がもつ深遠な歴史(パントフートと合い言葉)
第5部 社会のなかで機能する(あるいはしない)(他者を感じ取る;ステレオタイプと物語;おおいなる連鎖)
著者等紹介
モフェット,マーク・W.[モフェット,マークW.] [Moffett,Mark W.]
スミソニアン自然史博物館研究員。ハーバード大学人類進化生物学部客員研究員。昆虫の生態を研究するフィールド生物学者であり、熱帯雨林の樹冠の専門家。また、「ナショナルジオグラフィック」誌に写真を寄稿するカメラマンとしても活動している
小野木明恵[オノキアキエ]
翻訳家。大阪外国語大学英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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