出版社内容情報
刑務所の窓に巣をかけたスズメの夫婦、通勤中にデモに出くわした掃除婦、工場の同僚に恋心を寄せる女性、紛争地帯のレストランの店主……中東に暮らす人々の日々の営みと、彼らが情勢や伝統に翻弄される様を、トルコ政府に拘束中のクルド系政治家が描く短篇集
内容説明
工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。一冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史の如き孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集。
著者等紹介
デミルタシュ,セラハッティン[デミルタシュ,セラハッティン] [Demirta〓,Selahattin]
1973年、トルコ・東アナトリアのエラズー出身。少数民族ザザにルーツを持つクルド系の政治家、作家。アンカラ大学卒業後フリーの法律家として働き、トルコ人権協会のメンバーとなる。平和民主党(BDP)の共同党首を務め、武装組織クルディスタン労働者党(PKK)とトルコ政府との紛争状態の和解に尽力したのち、人民民主党(HDP)に移籍。ここでも共同党首の1人となり、2014年には大統領選に出馬、当選は逃したものの同党は議席数を伸ばした。2016年11月、テロ教唆・支援の疑いで身柄を拘束され、2018年の大統領選には獄中から立候補した。現在も拘留中である
鈴木麻矢[スズキアヤ]
女子学院高等学校卒業、早稲田大学第一文学部卒業、イスタンブール大学大学院トルコ語学科修士課程修了、トルコ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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