夕陽の道を北へゆけ

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夕陽の道を北へゆけ

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  • サイズ 46判/ページ数 512p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152099143
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アカプルコで書店を営むリディアの幸せな日々は、カルテルのボスの差し金で家族16人を殺され、崩壊した。彼女は、生き残った幼い息子ルカを連れ、メキシコを縦断してアメリカを目指すことを決意する──過酷な運命の中で、明日を信じて進み続ける人々を描く。

内容説明

メキシコ・アカプルコ。書店を経営し、夫と息子と幸せに暮らすリディアの平仮な日々は、カルテルに親族16人を殺されて一変した。彼女はたったひとり生き残った息子のルカを連れて、カルテルの力の及ばないアメリカへ行くことを決意。ふたりは“野獣”と呼ばれる貨物列車の屋根に飛び乗り、出会う人々の誰が敵で誰が味方かも分からないまま、死と隣り合わせで北へと向かう―悲しみの底に突き落とされた者、明日も生きのびることを信じて逃げる者、そして理不尽な暴力に人間愛で立ち向かおうとする者たちの希望を描いたロード・ノヴェル。

著者等紹介

カミンズ,ジャニーン[カミンズ,ジャニーン] [Cummins,Jeanine]
プエルトリコ系アメリカ人の作家。スペインのロダで生まれ、メリーランド州ゲイザーズバーグで育つ。タウソン大学で英文学とコミュニケーション学を専攻したのち、北アイルランドのベルファストでバーテンダーとして2年間働く。その後アメリカに戻り、出版社ペンギン・ブックス・USAで働きながら発表したノンフィクションA Rip in Heavenがベストセラーとなる。夫と2人の子どもとともにニューヨーク在住

宇佐川晶子[ウサガワアキコ]
立教大学英米文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

109
がっつりと読み応えのあるドラマだった。とてもリアルで中身の濃い果てしない逃走の旅路。リディアとその幼い息子ルカは犯罪組織から逃れるためにメキシコ南部から北へアメリカ国境を目指す。移民の10代の姉妹や組織を抜けたいと言う男も向かう。かの地での訳あり逃走がどれほど命がけなのか次々と見せつけられ、ただひたすら呆然。そんな展開の中、国境越えを知り尽くしたかのようなコヨーテの男がいい味を出していたなあ。様々な理由で国境を越える者たち。今まさに、そこにこういった現実があるということがヒシヒシと伝わってきた作品。2020/05/01

ナミのママ

64
先月アメリカで出版され話題になっている本が、すぐに翻訳されたとの事で読んでみました。メキシコで書店を経営し、ジャーナリストの夫と8歳の息子と暮らしていたリディア。突然乱入してきたカルテルに、集まっていた親族16人を殺されます。警察もカルテルと癒着している土地。リディアは行き残った息子のルカを連れてアメリカを目指します。貨物列車の屋根に乗り、砂漠を歩き…国境のない島国の日本では想像のできない旅。どうか無事に逃げて!とハラハラしながら読み終えました。長編ですが面白かったです。2020/02/23

Panzer Leader

54
ジャーナリストの夫を始め親族全てをカルテルの手によって惨殺された母と息子がメキシコからアメリカ目指して逃亡するロードノベル。ノンフィクションかと思えるくらいリアリティに富んだ重々しい作品。ウィンズロウ三部作の中の1エピソードではと言ってもいいくらい親和性が高い。カルテルの魔の手を恐れながらも段々とアメリカに近づいていく旅路は胸に響くが、少数のカルテルの手先を除き登場人物たちは基本的に善人ばかりってところはちょっとご都合主義かなと感じた。2020/12/31

seacalf

48
この世は暴力で満ち満ちている。愛する人達を皆殺しにされ、嬲りものにされ、全てを巻き上げられて。愕然とするが、紛れもない現実。平和ボケしてのうのうと読書している間にも、想像出来ない程の恐怖と絶望に苦しんでいる人がいる。フィクションだが、徹底的にリサーチされている。ラ・ベスティア(野獣)と呼ばれる貨物列車の屋根に乗り込んで進む道程は常に緊張をはらみ悲劇が続いてしんどいが、リディアの強い意志、ルカの真っ直ぐな正義感に救われてぐんぐん頁は進む。今年のベスト入り確定。感情を揺さぶられる体験を求めている方はぜひ。2020/09/20

あさうみ

47
理不尽な暴力から亡命する親子、行く先に待ち受る絶望、試練、そしてまた絶望。そのなかで希望と愛を手に立ち上がる彼らと一緒に、どうか逃げ切ってくれと祈りながら読み進む。喪失と悲哀から手にした安らぎ。親子の強さにただただ心を奪われる。辛かったが屈しない願いの可能性を知る、読んで良かったと思える本。自分の糧にしたい。2020/02/11

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