エドガルド・モルターラ誘拐事件―少年の数奇な運命とイタリア統一

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エドガルド・モルターラ誘拐事件―少年の数奇な運命とイタリア統一

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  • サイズ B6判/ページ数 576p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152097903
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

1858年にヴァチカンがユダヤ人少年を連れ去った事件は、近代化が進むイタリアで教皇の権威失墜をもたらす。傑作歴史ノンフィクシ1858年6月、ボローニャのユダヤ人家庭から、教皇の指示により6歳の少年が連れ去られた。この事件は数奇な展開をたどり、国家統一運動が進む近代イタリアでヴァチカンの権威失墜を招いた。知られざる歴史上の事件を丹念な調査で描いた傑作歴史ノンフィクション

デヴィッド・I・カーツァー[カーツァー デヴィッド アイ]
著・文・その他

漆原 敦子[ウルシバラ アツコ]
翻訳

内容説明

1858年、ボローニャ。異端審問官の命令によりユダヤ人商人モモロ・モルターラの自宅を警察隊が突然訪れた。彼らの目的は、モモロの6歳の息子エドガルドを家族から引き離し、時の教皇ピウス九世のもとへ護送することだった。エドガルドはなぜ連れ去られたのか?ユダヤ人一家の悲劇は国際世論の同情を集めついには列強が乗り出すことになる。傑作歴史ノンフィクション。ピュリッツァー賞受賞の歴史学者が知られざるドラマを描く全米図書賞最終候補作。

目次

ドアを叩く音
教皇領のユダヤ人
信仰を守る
絶望の日々
メズーサと十字架―エドガルド、ローマへ行く
求道者の家
もとの父と新しい父
教皇ピウス九世
批判された教皇
召使いの性生活〔ほか〕

著者等紹介

カーツァー,デヴィッド・I.[カーツァー,デヴィッドI.] [Kertzer,David I.]
1948年生まれ。ブラウン大学卒業。ブラウン大学教授。イタリア政治、社会人類学、人口統計学等を専門とする。1997年に発表した『エドガルド・モルターラ誘拐事件―少年の数奇な運命とイタリア統一』は、全米図書賞最終候補作となり、パブリッシャーズ・ウイークリー誌の年間ベスト・ブックスに選出された。また、スティーヴン・スピルバーグ監督による映画化が決定している。2015年にThe Pope and Mussoliniでピュリッツァー賞(伝記部門)受賞

漆原敦子[ウルシバラアツコ]
慶應義塾大学文学部社会学科卒、英米文学翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

36
"誘拐事件"という字面からは想像できないほど、各宗教や欧米諸国の政治的思惑が入り乱れた壮大な歴史ノンフィクション。カソリック権力の傲慢で非人道的所業の数々、イタリアにおけるユダヤ人迫害の長く惨い歴史には、200年近く前の話にも拘らず憤りを禁じえなかった。そして小さな事件ひとつが歴史を動かしたという点も非常に面白い。こういう視点でヨーロッパ史を学ぶならいくら長くても退屈しないと思う。ただフィクションとは違う現実的な結末にはため息ばかり……。綿々と続くユダヤ人迫害、その極点へと繋がる最後の一文はズシリと重い。2018/08/23

星落秋風五丈原

32
 キリスト教徒にとって、原罪を許す行為である洗礼を受けずに、天国へ召されることは最大の不幸である。だからカソリックの女中は、今にも死にそうに見えたユダヤ人の男児に洗礼を施した。ただそれだけの事だと思っていた行為は、男児を両親から引き離し、教皇や諸国を巻き込んだ論争に発展する。突然息子を連れ去られた両親からすれば、誘拐という立派な犯罪行為である。しかし連れ去った側、命じた側からすれば「ユダヤ人家庭にキリスト教信者を置いておくのは好ましくない」という原則に基づいたまでだ。2018/12/24

サアベドラ

27
19世紀後半、リソルジメント進行中のボローニャで起きた教皇庁によるユダヤ人の子供連れ去り事件の顛末を扱った歴史ノンフィクション。著者はアメリカの歴史家・社会人類学者。「本人や家族の意志にかかわらず、キリスト教徒によって洗礼を受けたユダヤ人の子供は、両親から引き離されて教会によって育てられなければならない」。いくら教皇領での事件とはいえ、19世紀にもなってこんな人権を無視した時代錯誤も甚だしい理屈を押し通そうとしたカトリック教会には言葉も出ない。ちょっと長いが面白くて一気に読んでしまった。オススメです。2018/10/10

marumo

23
教皇の権力が衰え始めたイタリア。それでもまだユダヤ人はゲットーに押し込まれ、謝肉祭にはラビたちが屈辱的な姿を強要されていた時代。ある日突然、ユダヤ人・モモロの息子エドガルドが警察によって連れ去られる。モモロは生涯をかけて息子を取り戻そうと奔走するが二度と息子は帰らなかった… 恐ろしい悪夢だが、カトリックの女中がこっそり子どもに洗礼を授けたことで起こるこの種の事件は珍しいことではなかったらしい。事件は教皇とモモロが父権を主張し他国を巻き込んで教会と政治の問題に発展していく。→2018/12/17

jamko

17
中世の闇の色濃く残る19世紀のイタリア、教会の命令によりユダヤ人家族の6歳の息子エドガルド・モンターラが奪われた。理由はモンターラ家が雇っていた女中が両親に黙ってエドガルドに洗礼を施したからだという。そんなことある!?と思ったけどそんな例は当時たくさんあったらしい…。本作を読むとヨーロッパにおけるユダヤ人差別の歴史と根深さに驚く。ナチスが台頭する前にもそれに近いような差別が普通に行われていたのね。信教の自由についても深く考えさせられるノンフィクション。2018/11/25

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