出版社内容情報
『Wolfenstein』などのネットゲームにはまって高校を中退、母親の自殺、自身の鬱を乗り越え、大学で創作を学びながら、星系開発ゲーム『Eve Online』で海外列強チームと対峙した日々。無数の文学とゲームに彩られた、驚異に満ちた半生を描く書き下ろし小説。
藤田 祥平[フジタ ショウヘイ]
著・文・その他
内容説明
母がリビングで首を吊ったとき、僕は自室で宇宙艦隊を率いていた―『Wolfenstein』などのネットゲームにはまって高校を中退、母親の自殺、自身の鬱を乗り越え、大学で創作を学びながら、星系間戦争ゲーム『Eve Online』で海外列強企業と対峙した日々。無数の文学とゲームに彩られた半生を描く、伝説のネットゲーマーにして最注目のライターによる自伝的青春小説。
著者等紹介
藤田祥平[フジタショウヘイ]
1991年、大阪府生まれ。京都造形芸術大学文芸表現学科クリエイティブ・ライティングコース卒。「現代ビジネス」「ユリイカ」などでライターとして活躍。『手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ』が長篇デビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
64
お気に入りの方のお薦めで。ゼロ年代のPCネットゲームにはまり高校中退、大学で文学を学ぶも母の死により鬱発症…という著者の自伝的小説、とのこと。前半はゲームについてや諸々、説明上手と思うものの、感情が欠落した文章なので、興味ない人から一方的に話をされている感じできつい。そう至る経緯が明かされてからは引き込まれる。そして饒舌さ自体がある種の感情の発露なのだろうと思え、見届けたくなる。起きた事実は変わらない、でもそれに伴う感情は観測点で変わる。不条理も観測点次第、条理と不条理は何層もの入れ子。上階層への収束。2021/03/05
エリク
30
結局これは自伝なのか小説なのか? それはともかく非常に面白い内容でした。 めっちゃ読み進めてしまいましたw ゲームにはまる人生しかり、とことん突き進む思いしかり、個性的な回りの人々しかり…… 僕も、彼のようになにかにはまった人生を送りたいです。2020/02/10
りー
25
良い!ゲーム系の小説はあんまり得意じゃなくて、でもたぶんお気に入りのどなたかのつぶやきで気になったから読んでみた。古き良き昭和の時代の私小説を現代にコンバートした様な静かで硬質な自伝的小説で、淡々と人の人生を追って行くタイプの物語が好きな僕にはどんぴしゃりの作品だった。冗長になりそうなゲームの描写も(まぁ長いんだけども)素人でも楽しめる易しい書き方でハードルは決して高くない。はじめの2ページくらいを読んでみて肌に合えば迷わずにオススメできる良作。2019/01/03
緋莢
21
<伝説のネットゲーマーにして、いま最注目のライターによる自伝的青春小説>(帯の言葉より)高校時代、FTPサーバーを用いて、夏季休暇宿題の解答の共有をしたら、違法ファイルが転送され、そこから思わぬ発見があったり、ネットゲームにハマり、高校を中退、大検資格を取って、大学に入って創作を学び、そんな中で母親が自殺してしまいます。同時期に発売されたコラム集『電遊奇譚』にも高校時代の話等は出てくるので、併せて読むといいかもしれません。ただ、自分は文章があまり合わず、物語世界に 入り込めたとは言えませんでした。2020/05/01
MINA
17
「最後に、私をこの謎めいた迷宮に放り込んでくれた母に、感謝を捧げる。あなたの血には詩人の因子が含まれていた。ーあなたの日記と遺書はいまでも大事にとってある。あなたの人生のどこかに図書館があれば、あなたはもうすこし長く生きられたのだろうが、それであなたが幸せだったかどうかわからない。いずれにせよ、あの日、死化粧を施されて私たちの家に帰ってきたあなたは、とても美しかった。」バーナード嬢から。物語自体、というより3.11を皮切りに憂鬱症を発症し自殺した母への想いや上記の(謝辞より)言葉がとても綺麗で好きなのだ。2020/06/04