ちいさな国で

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152096913
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

高校生が選ぶゴンクール賞、FNAC小説賞受賞のデビュー小説!

高校生が選ぶゴンクール賞受賞!
フランスで累計40万部超!
内戦を生き延びた気鋭のミュージシャンによる、感動の自伝的小説

本書には傑作が力をなすあらゆる要素が揃っている。
《レクスプレス》誌

この美しい成長譚は優しさや融和への切なる願いを伝えている。
《ル・フィガロ》紙

ガエル・ファイユの言葉はどこまでも確かで優しく、かつ重い。
だからこそこのデビュー作を読み終えると、心揺さぶる抱擁を受けたような気持ちになる。
《ル・ポワン》誌

本書のあらすじ
さまざまな民族が暮らすアフリカのちいさな国、ブルンジ。
仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、
少年ガブリエルは幸せな日々を送っていた。
しかし、大統領の暗殺をきっかけに内戦が勃発。
親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、
平穏な生活は音を立てて崩れていく……
フランスで活躍するラッパーが、
自らの生い立ちをもとに綴った感動作。


ガエル・ファイユ
Gael Faye
1982年、ブルンジ共和国でフランス人の父とルワンダ難民の母とのあいだに生まれる。1995年にフランスへ移住。2009年に音楽グループ〈Milk Coffee and Sugar〉を結成しレコードデビュー。2016年、作家デビューとなる本作で高校生が選ぶゴンクール賞、FNAC小説賞を受賞。ゴンクール賞でも最終候補作となり、フランスで40万部以上の売上を記録した。現在は二作目の小説に取り組んでいる。

訳者略歴
加藤かおり
国際基督教大学教養学部社会科学科卒, フランス語翻訳家, 訳書『ココ・アヴァン・シャネル』エドモンド・シャルル=ルー(共訳), 『マプチェの女』カリル・フェレ(共訳), 『ささやかな手記』サンドリーヌ・コレット(以上早川書房刊)他
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内容説明

さまざまな民族が暮らすアフリカのちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ガブリエルは幸せな日々を送っていた。しかし、大統領の暗殺をきっかけに内戦が勃発。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく…フランスで活躍するラッパーが、自らの生い立ちをもとに綴った感動作。高校生が選ぶゴンクール賞受賞!

著者等紹介

ファイユ,ガエル[ファイユ,ガエル] [Faye,Ga¨el]
1982年、ブルンジ共和国でフランス人の父とルワンダ難民の母とのあいだに生まれる。1995年にフランスへ移住。2009年に音楽グループ“Milk Coffee and Sugar”を結成しデビュー。2016年、作家デビューとなる『ちいさな国で』で高校生が選ぶゴンクール賞、FNAC小説賞を受賞

加藤かおり[カトウカオリ]
国際基督教大学教養学部社会科学科卒、フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

123
世界地図のパズルアプリに嵌っている。ブルンジとルワンダは大切に扱う。指先に引っかけ、そっと運び、アフリカの中ほどで、ゆっくり離す。ブルンジの面積は北海道の3分の1。眩しい光、たわわに実るマンゴー、ハイビスカスに吸い寄せられるハチドリ、小さな悩みを振り払うかのようにバカをする少年たち。小さな国の小さな生活が、民族間の憎しみで、大国の身勝手で、いとも簡単に奪われる。「選択肢をあたえてくれなかった世界のなかで精一杯生きている」少年たち。「祖国を追われたのではない。子ども時代を追われたのだ」その悲惨が胸をえぐる。2017/09/18

藤月はな(灯れ松明の火)

102
ルワンダの虐殺から逃れた母と異国での浪曼に憧れるフランス人の父の間に生まれたガブリエル(ギャビー)が住んでいたのはブルンジ。彼が10歳の頃、民主政権が生まれた。それがきっかけにルワンダ内戦も民族間に現れてきた諍いも平和理に終わると思っていた・・・。まだ、26年前の事実だ。浮き彫りになっていく自分の立場や階級、周囲の事情を知らなかった幼さ故の残酷さや自己保身、凄惨な現実に向き合う事で希望が潰える様が辛い。そして甥姪の酷たらしい姿を見て発狂した母と母から寝物語でその時の状況を聞かされ続けるアナの姿に言葉を失う2019/01/12

ちゃちゃ

83
「なぜ、ぼくらが犠牲にならなければならないのだろう」少年の日の追憶は、年月を経ても癒えない傷に向き合う痛みを伴う。透徹した少年の目はいつしか翳りを帯び、世界の変容に疑問を抱き始める。民族や文化の違いが憎しみや殺戮に繋がるこの世界の不条理。主人公ギャビーはフランス人の父とルワンダ出身の母のもと、ブルンジという「ちいさな国」で幸せな暮しを送っていた、民族抗争が激化するまでは。哀愁を帯びた少年のモノローグは、繊細な少年の心理と内戦の続く惨たらしい現実を浮き彫りにする。自らの帰るべき場所を求める、切なる魂の物語。2017/08/16

chantal(シャンタール)

81
フランス人の父、ツチ族のルワンダ難民の母の下、ブルンジで生まれたギャビー。否応無く奪われてしまった少年時代を振り返る物語の前半は不穏な空気の中でも楽しく過ごした思い出。誰もが持っているはずの子供時代。しかし暴力や憎しみはそんな幸せを散々に痛めつける。どうして人間は、こうも簡単に暴力や憎しみに絡め取られてしまうのか?アフリカだけの問題じゃない。不寛容と異なるものに対する過度の不安はこれからの世界を、日本を、飲み込んでしまうかもしれない。ちょっとした他者への差別が大きな悲劇を生んでしまう事を肝に銘じるべき。2020/07/25

アン

78
アフリカのブルンジという国で、フランス人の父とルワンダ難民でツチ族の母のもとで暮らしていたギャビー。ずっと続けばいいと願ったささやかな幸せの日々は消え去り、民族紛争の深刻さ、不条理な世界に属する事を強いられる状況に言葉を失います。時を経ても、癒えない傷の哀しさを抱えながら、戻ってきた家の懐かしさにそっとつつまれるギャビー…。仄かな灯りに、未来を祈りたい気持ちになります。 2019/03/20

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