出版社内容情報
アメリカの歴史ある文芸誌《ニューヨーカー》。その掲載作から名アンソロジストが傑作を選出。第二巻はD・バーセルミ、N・ベイカー、U・K・ル・グィン、G・ウルフらによる名作十五篇を収録
内容説明
新『ニューヨーカー短篇集』名作揃いの第二巻。1960年代から1980年代まで、名手たちの全14篇を収録。
著者等紹介
若島正[ワカシマタダシ]
京都大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
87
『声はどこから』は渡辺佐智江さんが翻訳。当たり前のように身についている郊外の黒人蔑視とマクベス夫人のように殺人を焚きつける奥さんなどの周囲も怖い。『俺たちに明日はない』が面白かったです。そうか、この批評があったから『俺たちに明日はない』はアメリカン・ニューシネマの傑作として地位を獲得したんだ。『ホフスティッドとジーン』は私の中の腐女子レーザーが脳内で鳴りっぱなしでした(笑)『脅威』はデトロイトを中心にしていた車産業社会が終わりを迎え、日本車にボコスカにしていた時代のアメリカの心理を思うとちょっと冷や汗かも2018/05/19
くさてる
28
すぐれたアンソロジーは、ジャンルも時代も超越してしまうことが分かる。どれ一つとして似たものはなく、共通しているのはどれもがすぐれた文章で構成された作品であること。それをまとめて読まされてしまうと、ただ圧倒されてうっとりと酔うしかないのです。個人的なお気に入りは、ユードラ・ウェルティ「声はどこから」ポーリーン・ケール「俺たちに明日はない」アイザック・シンガー「手紙を書く人」ル・グイン「教授のおうち」など。2016/06/28
りつこ
26
昔「ニューヨーカー短編集」という本を古本屋で見つけて大切に読んでいたんだけど、これはそのシリーズらしい。ベスト・ストーリーズ1は以前読んでいたんだけど、ブログを検索してみたら9年前だった。 この間インタビューを読んで気になっていたアイザック・シンガーも読めて満足。好きだったのはピーター・テイラーとアーシュラ・K・ル・グィン、マーク・ヘルプリン。ロジャー・エンジェルの「野球の織り糸」も良かった。2025/09/11
踊る猫
26
時流を反映した作品が収められており、資料的価値もある。それでいて、どの作品も今に至るもクオリティが落ちていないのは流石。ポストモダンをベースにした作品(ドナルド・バーセルミやニコルソン・ベイカー)に興味を惹かれるも、個人的好みとしてはむしろもっと叙情的で古典的な完成度の高いものを推したくなる。歳のせいかな。ポーリン・ケイルのエッセイも洒脱(だが、これは流石に好みとは合わず)。都会的な読み物と思っていたが、ジャズがそうであるように実は結構雑食で雑多なルーツを反映した、逞しい土臭さが売りと見た。どうだろうか?2019/10/19
星落秋風五丈原
20
ポーリン・ケイルの「俺達に明日はない」レビューが良かった2016/05/31