ブリキの馬

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 592p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152095565
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

一九二一年に生まれた双子の姉妹。米西海岸のユダヤ人地区で、支え合い喧嘩しながら二人は大人になった。しかしある日姉が失踪し……

内容説明

引っ越しを控えて家を整理していたエレインは、60年以上前に行方をくらませた双子の姉の所在についての手がかりを見つけた。そしてエレインの脳裏に、ロサンゼルスで育った日々がよみがえる。ウクライナから移住した祖父。アメリカに希望を抱きつづけた父。気まぐれさの裏に悲しみを隠していた母。個性豊かな妹二人。そして、ハリウッドでの活躍を夢見る奔放で魅力的な双子の姉、ライバルで親友でもあったバーバラ…。激動の20世紀を生きた一家の歴史を思い返すうちに、エレインは自分の子供時代を見つめなおし、姉についての真実を知る。忘れがたい語り口で読書人を魅了した傑作長篇。サンディエゴ図書賞受賞。

著者等紹介

スタインバーグ,ジャニス[スタインバーグ,ジャニス] [Steinberg,Janice]
アメリカ、ウィスコンシン州生まれのジャーナリスト、作家。カリフォルニア大学アーバイン校で学士号および修士号を取得。さまざまな職を経て、芸術分野を専門とするジャーナリストとして活動をはじめる。ミステリ小説の著作が五作ある。2013年に発表した『ブリキの馬』は、鮮やかな描写とストーリーに評価が高まり、サンディエゴ図書賞(一般文芸部門)を受賞した。サンディエゴ在住

青木千鶴[アオキチズル]
白百合女子大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

32
自身もユダヤ系出身である作者は「ユダヤ人社会の変遷」という横軸の方に焦点を絞り過ぎて肝心の一家のドラマを描き切れていなかったように感じた。バーバラがこれまでどうしていたか、どう感じていたかが「自分のとった行動の理由なんて、あたしにだってほとんどわらないんだもの」というエクスキューズつきで駆け足で紹介され、それを聞いて「これは赦すとか赦さないとかの問題ではない」とあっさり納得してしまうヒロインのようには、すんなり受け入れられなかった。ラストに至るまでの登場人物の心の流れが、着地点ありきで進んでいるようだ。2016/01/25

tom

16
ナチスが権勢を振るう時代、東欧に住むユダヤ人の12歳の女の子がアメリカに脱出した。辛い出来事を経て、彼女は、二人の双子の姉妹を産む。双子の妹エレインが主人公。姉バーバラは、二十歳を過ぎたときに失踪する。エレインは、80歳を過ぎたとき、バーバラを探し始める。そこから、家族の歴史が語り始められる。よくよく考えたら、どうしてこうなるのと思わせるところもあるのだけど、昨今のおどろおどろしい家族の物語と比べて、なんと良質な物語なのかと、アメリカの作家の力に驚いてしまった。私にとっての、今年のベストテンの一冊。2015/11/24

funuu

11
私たちは生きるためにみずから物語をつくる。アメリカのユダヤ人の物語り。わたしは愛するひとのもの、愛するひとはわたしのもの。2016/03/06

きりぱい

6
面白かった。親の愛情を巡って、一人の男を巡ってと、ことあるごとに疎外されているように感じ、双子の姉に羨望と葛藤を抱くエレイン。生まれついての気性がさせるないものねだりなのか、姉の方だって嫉妬されるばかりであったとは限らない。そうした話が、60年も行方不明で会っていなかった姉の手がかり発見とあって、ユダヤ人迫害でアメリカにやってきた祖父に始まる家族の回想となり結構な読み応え。母としてか女としてか時代の束縛の前に明かされる母親の行動は計り知れない。あとフィリップ・マーロウが実際に登場するのも面白い。2015/10/15

GO-FEET

5
素敵な装幀に誘われて手に取ったが、これはなかなかの拾い物。家族の物語♪ ★★★★2015/10/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9808660
  • ご注意事項

最近チェックした商品