内容説明
幼児なみの知能のため、みんなからバカにされてきたチャーリイ・ゴードン。頭がよくなる手術を受けた彼は、ついに天才へと変貌する―知を求めさまよう青年がやがて知る、ほんとうの愛とは?心の成長を描く不朽の名作。ファン必携の愛蔵版。
著者等紹介
キイス,ダニエル[キイス,ダニエル] [Keyes,Daniel]
1927年、ニューヨークのブルックリンに生まれる。ブルックリン・カレッジで心理学を学んだ後、雑誌編集などの仕事を経てハイスクールの英語教師となる。このころから小説を書きはじめ、1959年に発表した中篇「アルジャーノンに花束を」でヒューゴー賞を受賞。これを長篇化したものがネビュラ賞を受賞し、世界的ベストセラーとなった。その後、オハイオ大学で英語学と創作を教えるかたわら執筆活動を続け、のちにフルタイムの作家となる。2014年、フロリダの自宅で死去
小尾芙佐[オビフサ]
津田塾大学英文科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mint☆
79
再再読くらい?でも最後に読んだのは何十年も前のような?少し前話題になっていたので読んでみたくなりました。月並みだけど本当に不朽の名作だと思う。終始チャーリィの一人称で語られる物語はチャーリィの心理の機微がダイレクトに伝わり切なくなる。かなり読みにくい部分もあるけど読まずにはいられない。何度読んでも良い本。新版も出ているのに図書館にはこの愛蔵版しかなくて残念。やはり表現の違いがあるのか気になるので次は違う出版社の本を読んでみようと思う。前読んだのはこんなに性的な描写あったかな。2025/06/16
Natsuki
62
酒井駒子さんの描きおろし装画による愛蔵版にて読了♪読友さんからのおすすめで読みました。後半は泣きながら、読み終わっても思い出してはジワジワ涙が出てきてしまいます。重度の知的障がいをもつチャーリイ。彼が受けた手術の経過報告という形で進む物語。正直レビューが言葉になりません。一足先に同じ手術を受けたネズミのアルジャーノン。彼が進む道を追うチャーリイ。知識を得る喜びとそれによって知る苦しみ。目に見える文字そのもので読者に体感させるチャーリイの変化。同じようにアリスの気持ちも実感できて切なかった。読んで良かった。2017/05/24
えんちゃん
57
職場のイケメンが読んでいると聞きこっそり手に取る。最後の1行のために読むといっても過言ではない。感無量。知的障害の青年。科学的手術によりIQが発達するも、感情の成長は追いつかず。知ったことと知らなくてもよかったこと。愛されたい愛したかった。知的になったチャーリーが社会に適応出来ず、もがく姿が哀しい。『アルジャーノンに花束を』最後は優しい青年のまま逝く。幸せとは何か。2021/03/04
アリ子
30
2002年ユースケ・サンタマリア主演でドラマ化された時、家族が原作を買ってきたのに読みそびれ、結局その時のドラマも去年の山P主演版も途中挫折で、ちゃんと内容を知らないまま現在に至っておりました。こんな内容だったとは。ドラマ見て知った気になってなくて良かった。読み応えたっぷり。読み終わってはじめてタイトルにジーンときた。2016/12/03
トワ
14
人にとっての幸せってなんだろうか..。頭が良くなったとしても、チャーリーの孤独が無くなることはなかったし、孤独どころか、人を見下すことで、自分に安心したり、周りの目ばかりを気にする、人の醜くく、悪い部分ばかりが浮き彫りになっていた気がする。2015/11/09