内容説明
二十八年分の取材手帳と四百本のインタビューテープから明かされる、平成文学を代表する作家たちの肉声と素顔。日経新聞の名物文芸記者だった著者が綴る、初めての平成文学史。
目次
いま、なぜ平成文学史か?
ポスト・モダンの幻影
春樹とばななの時代
中上健次の死と文壇の崩壊
女性の時代
大江健三郎と江藤淳
私小説の復活
安部公房とSF系の作家たち
小島信夫に続く作家たち
失われた二十五年を描く
内向の世代の重み
新世代の女性作家たち
物語の復活
エンターテインメントからの参入
群れないで書く
沖縄の作家たち
抒情の文学 宮本輝と藤沢周平
著者等紹介
浦田憲治[ウラタケンジ]
1949年浦和市(現・さいたま市)生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。学生時代は文学研究会で活動した。1972年日本経済新聞社入社。東京編集局整理部、地方部、流通経済部などを経て1984年から30年近く文化部に在籍し、文芸を中心に映画、美術を担当した。1989年文化部編集委員。2012年春に退社後、現在はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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みみみんみみすてぃ
2
★★★★★ めちゃくちゃタメになった。昭和と平成という、いっけん切断されているように思われる事柄を、昭和の終わりから平成の始まりにかけて、中上健次の死や村上春樹・吉本ばななの登場などを介して説明したのには驚きいった。両者にはじめて架け橋が、しかも積極的な架け橋がなされたといっていいだろう。本作は日本の文学史においても重要となるようなものである。これまでどちらかというと否定的文脈に置かれていた「平成時代に書かれた文学作品」を大きな流れの中で位置付けている。大江健三郎、古井由吉、江藤淳、高樹のぶ子、小島国夫、2016/01/05
poefan
2
現場の力で著者が練り上げた傑作。今年の早川書房、最高の一冊。これを読めば20世紀後半から21世紀までの日本文学がすべて分かる。2015/12/27
イーナ
0
半分まではとりあえず目を通したけど、後半は読んだことのある作家だけかいつまんで読んだ。これからたくさんの平成文学にふれたら、より意味のわかるページが増えて行くんだろうと思う。本当なら手放すところだけど装丁が美しいので部屋に置いておく。2017/08/13
ゆうむ
0
後書きにあるように「平成文学の記録であり、元文芸記者の回想記、覚書」。年代記ではなく作家論集という構成。幅広い作家をフラットに、ときおり個人的な見方も加えて記述していく。文学と社会の関係性への意識は元記者ならではか2016/02/27
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