内容説明
破綻に瀕した健康保険制度を守るため、政府主導で医療改革が実施された近未来。医療の産業化を進め、効率化を図るため、民間医療保険の活用で高額な医療を賄う自由診療が促進される。そうしたなか、官僚出身の院長を戴く自由診療病院、画期的新薬を開発した製薬会社、そして医療保険を販売する外資系の保険会社が利潤獲得の画策を巡らす。17歳の少女を襲った突然の異変に苦悩する医師と周囲の人々。だが、病院・製薬・保険の三者によるトライアングルが、医療の現場に不気味な影を落とす。効率化を求め、利益を追求する医療が、患者を救うことはできるのか?現役の医師が、行き過ぎた改革が招く医療の危機を鋭く指弾する衝撃のストーリー!
著者等紹介
岡井崇[オカイタカシ]
医学博士。社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院長。1947年和歌山県生まれ。1973年東京大学医学部を卒業後、東京大学医学部助教授、昭和大学医学部産婦人科学講座主任教授、昭和大学病院総合周産期母子医療センター長等を経て現職にいたる。日本産科婦人科学会副理事長・医療安全推進委員会委員長・周産期委員会委員長、日本周産期・新生児医学会副理事長、日本超音波医学会理事長、東京都周産期医療協議会会長ほかを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zanta
17
187/7/4/2015 なちがすっかり出世しているのがうれしい。息子は純粋でエネルギッシュ。すごい両親のもとやっぱりすごい少年が成長していくさまも面白い。2015/07/04
siva
15
近未来、自由診療で受けられる医療の質が経済格差によって違っていく。まるでアメリカのような状況になりつつある日本の医療を医者、官僚、製薬会社などのそれぞれの状況から描いてますが、そこに青春若者ラブストーリーも絡まり。もう少しきっちり1点に絞ったほうが良かったのでは。国民皆保険制度の破綻は近いですね、既に提起されている問題ではあるけれども、再考。なんとかなるんだろうか。2015/07/31
marcocame
4
考えさせられるとても興味深い本でした。医療も教育も、難しい・・・。自分も専門職なので、この人たちのジレンマが実感できました。2015/05/16
はっぴ~
4
医療関係の仕事なのでなのでなかなかおもしろく読んだ、でも、最後は少し無理があるかな。2015/05/03
もけうに
3
うーん、これは小説の体を為していないなあ…。前2作は小説としてはアレでも医療モノとして楽しめたが、今作は変にストーリー性を出そうとして失敗している。医薬品承認のステップについては面白かった。2022/03/20
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