内容説明
20世紀に入り、怪物「がん」と闘うには「治療」という攻撃だけでなく、「予防」という防御が必要であることがわかる。かくて、がんを引き起こす最大の犯人として、たばこが指名手配されたが…人類と「がん」との40世紀にわたる闘いの歴史を壮絶に描き出す!ピュリッツァー賞、ガーディアン賞、受賞作。
目次
第4部 予防こそ最善の治療(「まっくろな棺」;皇帝のナイロンストッキング;「夜盗」 ほか)
第5部 「われわれ自身のゆがんだバージョン」(「単一の原因」;ウイルスの明かりの下で;「サーク狩り」 ほか)
第6部 長い努力の成果(「何一つ、無駄な努力はなかった」;古いがんの新しい薬;紐の都市 ほか)
著者等紹介
ムカジー,シッダールタ[ムカジー,シッダールタ] [Mukherjee,Siddhartha]
腫瘍内科医で、がん研究者。現在はコロンビア大学医学部准教授、およびコロンビア大学メディカル・センターの指導医を務める。1970年、インドのニューデリーの生まれ。デリーの高校を卒業後、スタンフォード大学で生物学を学んだあと、ローズ奨学金を獲得してオックスフォード大学に入学。卒業後、ハーバード大学医学大学院に進む。大学院修了後は、ボストンのダナ・ファーバーがん研究所とマサチューセッツ総合病院でがん医療(腫瘍内科学)の専門研修を開始する
田中文[タナカフミ]
東北大学医学部卒。医師、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
30
「無駄な努力はなかった」という短い言葉の中に、この長い人類史に常に寄り添い続けてきたがんという「疾患群」との闘いが凝縮されていて涙が出てしまいました。その壮大な絵巻の中には2回の乳がんを乗り越えた母が、20代で、30代で、40代で逝った友人たちが、記されています。すべての「がん」がその人の人生の一部であるように、そのゲノムの研究も独特で、まるで長い戦史を読んでいるかのようでした。今日も戦いは続いていますー私にとっては予防という形で。秀逸。2025/10/16
ぐうぐう
20
シェイクスピアやカフカ、カルヴィーノからの引用で、がんを例えていくという文学的表現が、ただの評論ではないクオリティを確保している『病の皇帝「がん」に挑む』だが、本書の一番の良さは、医師としての立場から、研究室内の論議に閉じていないことだ。ムカジーは、がんとの闘いの歴史を記す中で、絶えずそこに患者の存在を忘れない。がんと闘っているのは、医師以前に患者であることを忘れないのだ。その医師としての真っ当さこそが、本書の誠実さなのだろう。2013/11/13
KAZOO
17
知人が今、もろにがんと闘っている最中なのでかなり興味を持って読みました。上巻が昔の歴史中心であったのが下巻は最近のことになり、かなり対処方法も明確になってきていることを示してくれます。ドキュメントとは言いながら専門的な知識があまりなくても興味深く読み通すことができました。2013/12/15
ケニオミ
11
「アンナ・カレーニナ」の有名な冒頭の言葉「およそ幸福な家庭は皆似たり寄ったりのものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」をふと思い出しました。それは本書の次の言葉と非常に似ていたためです。「正常細胞はみな同じだが、悪性細胞が不幸にも悪性になるまでには、それぞれ独自の経緯を経ているのだ。」本書は「人類4000年の苦闘」を俯瞰する内容でしたが、最近の、人類の凄まじいほどの闘いぶりに圧倒されました。本書は多数の賞を受賞するに相応しい必読の良書であり、近藤誠先生の著作と比較検討することを強く勧めます。2014/01/01
tkokon
10
【感服】大作の下巻。すます身近な話題になってきて、一気に読んでしまった。手術による切除、抗がん剤による殺戮、予防によって「がん化のプロセス」を防ぐ・遅らせる、がん細胞に特有の特徴を標的にがん細胞のみをたたく。多彩なアプローチが生み出され、試され、そのどれもが少しずつ成果を上げる。「無駄な努力は何もなかった」のだ。それでも、がんは多様であり、一人ひとり違う。ほぼ完治するがんもあれば未だ有効打のないがんもある。それにしても、作者の文章力・ストーリー展開が見事。登場する患者に感情移入してしまう。(kindle)2014/02/23
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