出版社内容情報
〈ハヤカワ・ノンフィクション〉チェルノブイリ、東海村、フクシマ――数々の放射線関連事故の現場に駆けつけ、被ばく者救護に当たってきた医師が伝える、ポスト3・11を生きるための基礎知識。
被ばく治療の第一人者による、もっとも信頼できるガイド。
チェルノブイリ、東海村、福島など、放射線が絡む重大事故の現場にいち早く駆けつけ、被ばく者の救護活動を行なってきたアメリカ人医師、ロバート・ピーター・ゲイル博士。一般市民が放射線について正確な知識をほとんど持たず、誤った情報が流布していることを憂慮した博士は、わかりやすい啓蒙書の必要性を感じ、ジャーナリストのエリック・ラックスとともに本書を執筆した。
どの種類の放射線を、どのくらいの線量浴びると危険なのか? 福島第一原発事故の被ばく者の今後は? 携帯電話や電子レンジの電磁波は安全か? X線検査など医療処置で浴びる放射線については? これから原発とどうつきあっていけばいいのか? 数々の切実な問いに対して、これまでの治療経験と医学の立場から言えること、放射線利用のメリットとデメリットを、ゲイル博士が基礎から懇切に解説する。
放射線に関する知識を整理・補強し、利益とリスクを冷静に見据え、より適切な判断を下すために。ポスト3-11を生きる私たちにとって、いまこそ必携の1冊。
内容説明
昨今、核が絡むいくつかたいへん重要な問題が日本の国民とその政府に突き付けられている。たとえば、停止している原発を再稼働させるかどうか、これから数十年で原子力への依存度を段階的に減らしていくかどうか、核兵器の開発能力を保有するかどうか。どれも複雑な判断を迫られる。チェルノブイリ、東海村、フクシマ―数々の放射線関連事故の現場に駆けつけ、被ばく者救護に当たってきた医師が伝える、ポスト3・11時代を生きるための基礎知識。
目次
第1章 リスクの評価
第2章 放射線の発見から今日まで
第3章 放射線の現実
第4章 放射線とがん
第5章 遺伝性疾患、出生時障害、照射食品
第6章 放射線と医療
第7章 爆弾
第8章 原子力発電と放射性廃棄物
第9章 まとめ
著者等紹介
ゲイル,ロバート・ピーター[ゲイル,ロバートピーター] [Gale,Robert Peter]
アメリカの医師。骨髄移植と白血病治療の世界的権威。現在、インペリアル・カレッジ・ロンドン客員教授(血液学)。1945年生まれ。ニューヨーク州立大学バッファロー校で医学を学び、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で微生物学および免疫学の博士号を取得。1973年から93年までUCLA医学部で教鞭を執る。世界各地の核や放射線が絡む事故で過去30年以上にわたって医療支援活動に携わり、99年の東海村臨界事故の際には来日して医療チームに参加。2011年の福島第一原発事故の直後にも来日して医療支援等を行ない、以後も現地を訪れている
ラックス,エリック[ラックス,エリック] [Lax,Eric]
ジャーナリスト。著書にUCLAの骨髄移植チームを描くノンフィクションLife and Death on 10 West、ウディ・アレンの伝記Woody Allen:A Biographyなどがあり、いずれも「ニューヨーク・タイムズ」に注目作として取り上げられた。また、ペニシリンの開発史を扱ったThe Mold in Dr.Florey’s Coatは「ロサンゼルス・タイムズ」の年間ベストブックに選ばれている
朝長万左男[トモナガマサオ]
日本赤十字社長崎原爆病院院長。1943年長崎市生まれ。2歳のときに、母親とともに爆心地から2.7kmの距離で被爆。長崎大学医学部卒業、同大学で40年間血液内科医として被爆者医療および白血病の研究にあたる。UCLA留学、長崎大学医学部教授を経て2009年より現職。長崎大学原爆後障害医療研究施設(原研)元施設長。チェルノブイリや福島第一原発事故で医療支援等を行なう。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)北アジア地域代表、NGO地球市民集会ナガサキ実行委員長
松井信彦[マツイノブヒコ]
翻訳家。1962年生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科電気工学専攻前期博士課程(修士課程)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
ZEPPELIN
或るエクレア
西澤 隆
のの