出版社内容情報
すべてを吸い込むブラックホール。しかし、これこそが宇宙をいまの姿に作り出すうえで欠かせない存在なのだ……。第一線の天文学者が平易な言葉でブラックホール研究の歴史から最先端までを語る
内容説明
この破壊的な機械が世界をいまある姿に創造した―ブラックホール研究から、宇宙と生命の誕生を展望。新進天文学者による、傑作科学ノンフィクション。
目次
暗黒星
永遠の地図
底にたどり着く一〇〇〇億通りの方法
10の30乗キログラムのゴリラの食性
バブル
遠くのサイレン
起源
壮大なもの
著者等紹介
シャーフ,ケイレブ[シャーフ,ケイレブ][Scharf,Caleb]
コロンビア大学宇宙生物学センター所長。イギリスで生まれ、ケンブリッジ大学で博士号を取得後、NASAゴダード宇宙飛行センターや宇宙望遠鏡研究所で観測的宇宙論を研究する。現在の専門分野は、系外惑星科学と宇宙生物学。太陽系の外で生命を持つ惑星を発見することを最終目標としている。研究のほか、教科書の執筆や、雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』ホームページで人気天文学ブログの運営をおこなっている
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家。東京大学理学部卒業、同大学院修了。博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手押し戦車
15
ブラックホールは濃度の高いガスが取り巻いていてブラックホールのエネルギーにより周辺が活性化している、このガスの中から成分が混ざり合い結合して新たな恒星が生まれる。周囲のガスがブラックホールにすいこまれると、ブラックホールは質量を増し周囲をさらに活性化させて行く。ガスを燃料にしたり、材料を混ぜ惑星を作る。ガスを燃料にしたり惑星と言う生命を作り出すブラックホールは銀河の遺伝子を持った発電所の役割を果たしている。E=mc2のエネルギーを完全に使いこなす神秘の発電所。遺伝学とE=mc2の融合こそエネルギーの鍵2015/05/12
ぼのまり
2
星の光は何万年、何億年の彼方より降り注ぐ。言い換えれば、遠い星空を観察することは、宇宙創成の記録を読み解くこと。これまでは主にSFの世界で取り上げられたブラックホールについて、その生成メカニズムや宇宙創生のヒントを探る興味深い1冊。2013/05/20
メルセ・ひすい
1
物質を呑みこむだけでなく、凄まじいエネルギーを放出しているブラックホール。その研究の歴史と最先端科学を新たな視点から展望する、新進天文学者による傑作科学ノンフィクション。…天の川銀河の超重ブラックホールは、活動していないように見えるが実は最先端の観測から、二万五千年前に大量の物質を放出、さらに三百年前には膨大なX線を発した。これらの活動は銀河全体に大影響、生命を育む惑星の形成をも左右したのだ。X線天文観測の第一人者である著者は宇宙望遠鏡を駆使して何十億光年も遠方の銀河団を観測、その奇妙な特徴も発見している2013/05/14
黒豆
1
理論物理学、宇宙論が歴史的な経緯を含め身近な物を例えに分かりやすく記載されている、また最新の観測による知見や新たな謎など科学好きな人には楽しめる一冊。2013/04/02
memoma
0
文章の中でおそらく同じ現象と思われる事柄が異なる表現で繰り返し出てきているように思う。著者の癖か、翻訳書の性か。読んでいて混乱した。ともあれブラックホールが周囲に与える影響について、銀河の成長を食い止めたりだとか、恒星の生成を制限したりだとか、色々書かれていて興味深かった。2015/02/17
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- 和書
- 金石文と古代史料の研究