ハヤカワSFシリーズ
ゴースト・オブ・ユートピア

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  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152093066
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『一九八四年』に始まり、『ガリヴァー旅行記』を経由して『華氏四五一度』へ──僕でもある〈きみ〉は21世紀のユートピアを追い求める。伊藤計劃、円城塔と同年デビューの異才がJコレ初登場。

内容説明

ディストピアSFの古典がいかにして誕生したかを著者オーウェルの生涯を辿ることで探る「一九八四年」、あの奇想天外な風刺小説を異色の会話劇として再構築した「ガリヴァー旅行記」、激動の20世紀陰謀史をQ&A形式で解体する「すばらしい新世界」ほか、古今東西の文学作品10篇をモチーフに、21世紀という時代にユートピアの本質を追究する試み。

目次

nowhere(一九八四年;愛の新世界;ガリヴァー旅行記;小惑星物語;無可有郷だより)
now here(すばらしい新世界;世界最終戦論;収容所群島;太陽の帝国;華氏四五一度)

著者等紹介

樺山三英[カバヤマミツヒデ]
1977年東京都生まれ。父は歴史家の樺山紘一。学習院大学文学部卒。『ジャン=ジャックの自意識の場合』で第8回日本SF新人賞を受賞して2007年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キョウラン

12
エログロナンセンスありな幻想的な小説。なんというか個々の話が独立してて一貫性がないような気がするけど、ラストに「華氏451度」を配置することによって人の想像力っていうのがメインテーマなのかしらん?わからないなりにもかっこいいSF臭が凄く伝わってくるので星雲賞かなんかとって欲しいって思った。いやあいい知的な読書体験を堪能したって感じで濃厚でしたね。素晴らしい。今年のベストSF3位くらいな感じw2012/08/07

ハルト

6
どこにもない場所=ユートピア。そんな世界の「いま・ここ」にいる。オーウェル/フーリエ/スウィフト/シェーアバルト/モリス/ハクスリー/石原莞爾/ソルジェニーツィン/バラード/ブラッドベリ。彼ら著者の作品を題材に、さまざまな形式で語られていく理想郷。ネットワーク化していく世界で、実体を持たなくなりつつあるこの現実世界こそが、ある意味ユートピアでもあるんだろうか。一篇一篇どれもが充足感ある作品でした。特に「一九八四年」「愛の新世界」がすごかった。ただ全体としてはややまとまりを欠いていたように思いました。2012/08/02

空箱零士

5
★★★☆ ここに一つの書物がある。それは「どこにもない場所」であると同時に「いま・ここ」でもある。きっとそれを読んだ所でどこにも辿り着きはしないだろう。きっとそれを読んだ所で今いる場所が分からなくなるだけだろう。つまり僕たちはどこにだって理想郷を見出すことは出来ない。ユートピア。その意味に従えば僕たちはそれを夢見る時点でアイロニーに囚われることとなる。言葉。それがテクストである時点で既に檻の中に閉じ込められることとなる。歩こうが留まろうが大して変わらない。流動を、停滞を、書物で、言葉で、記している時点で。2014/08/15

EnJoeToh

5
素晴らしい。2012/08/20

スズツキ

4
半年ほど前に数ページ読んで「あ、これは……」と思って微妙に挫折。そしたら案の定去年のSFランキングに入ったので、再度着手。今回はなんとか読み切りました。作品自体は難解。過去のSF小説に根ざす思想を自分なりに咀嚼し理解して、なおかつさらにもう一段階上のレベルに立ってこそ、この作品と向き合える。つまり、私は向き合えなかったのだ。2013/02/26

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