森の奥へ

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  • サイズ B6判/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152093004
  • Cコード C0097

出版社内容情報

オレゴンの深い森を訪れた親子三代の周辺に熊の影が見え隠れする――スリリングな文芸小説

内容説明

オレゴン州、エコー渓谷。そこは、高校教師ジャスティンとその父ポールにとって思い出深い場所だった。渓谷の開発を前にして、ポールは最後に泊まりがけで狩猟に行こうと誘ってくる。ジャスティンの息子、十二歳のグレアムも一緒に、と。そしてジャスティンは同意する。この旅が、長年衝突を繰り返してきた父と和解するきっかけになることを願って。しかし、穏やかだったはずの週末は、次第に違う様相を見せはじめる。他人の意見に耳を貸さない父。獰猛な本性を見せる森。周囲をうろつく熊の影…そしてそのころ、自宅に残ったジャスティンの妻カレンにも別の危機が迫っていた。自然の深層と人間に潜む野性を、切りつめた文章で描き上げた新鋭のデビュー長篇。

著者等紹介

パーシー,ベンジャミン[パーシー,ベンジャミン][Percy,Benjamin]
1979年、オレゴン州生まれ。ブラウン大学を卒業後、南イリノイ大学で芸術修士号を取得。2006年に第一短篇集The Language of Elkを発表。2007年の第二短篇集Refresh,Refreshでプッシュカート賞を受賞。2008年には有望な新鋭作家に与えられるホワイティング賞を受賞した。アイオワ州立大学で創作を教える

古屋美登里[フルヤミドリ]
早稲田大学教育学部卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

キキハル

16
オレゴン州エコー渓谷を舞台に繰り広げられる闘い。開発目前の森へ入るのはジャスティンと彼の父ポール、そして息子のグレアム。鹿狩りのキャンプは次第に様相を恐怖に変えていく。留守宅を守るジャスティンの妻カレンに迫るのは、全身を獣の皮で包んだイラク帰りの元海兵隊員ブライアン。そして森をゴルフ場に変える張本人ボビー。同時に進行する各々の闘いの結末は? おおよその流れは読めるし新鮮な驚きもないが、ブライアンの設定がさすがアメリカだと興味深かった。だから?と問われれば、別に、と答えるしかないが。なんとも微妙な読み心地。2012/08/06

ぱせり

13
人の心の中にも、暗い「森」があるのではないか。安易に覗くことも踏み込むこともできず、適当にごまかして暮らしてきた「森」 人が忘れていても、森は決して忘れない。飼いならされもしない。人は、森から離れることはできないのではないか。できることは、そこに「森」がある、と認めることだけなのかもしれない。2012/09/18

ophiuchi

4
暗く重い話で読み通すのが大変だった。2012/07/14

くさてる

3
濃厚な森の湿った空気と野生動物の息を感じるような森を舞台に、主人公と傲慢な父親の関係性が孫息子を中心としてどんどん煮詰まっていくサスペンスと、それとは交わらない線で、主人公の妻に魅せられた男の孤独が描かれる。エンタテイメント性もあるけれど、純文学的な深みもそこかしこに感じられる不思議な読み心地の作品で、もっと他の作品を読んだら大化けする作家なのかもしれないと思った。狼人間の話だという次作や評価が高いという短篇も読んでみたい。2012/10/03

dumpty

2
アメリカの自然。その懐の深さを感じさせる一冊でした。しかし、帯のうたい文句「むきだしになった野生に、家族の絆は断ち切られてしまうのか。」っていうのは、ちょっと違う気がする。2012/07/03

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