内容説明
壮大な歴史絵巻ももとは電子の席取り合戦から!?化学と元素周期表に萌えるひと必読!全米ベストセラーにもなった出色のポピュラー・サイエンス。
目次
第1部 オリエンテーション―行ごとに、列ごとに(位置こそさだめ;双子もどきと一族の厄介者―元素の系統学;周期表のガラパゴス諸島)
第2部 原子をつくる、原子を壊す(原子はどこでつくられるのか―「私たちはみんな星くず」;戦時の元素;表の仕上げ…と爆発;表の拡張;冷戦の拡大)
第3部 周期をもって現れる混乱―複雑性の出現(物理学から生物学へ;毒の回廊―「イタイ、イタイ」;元素を二種類服んで、しばらく様子をみましょう;元素のだましの手口)
第4部 元素に見る人の性(政治と元素;貨幣と元素;芸術と元素;狂気と元素)
第5部 元素の科学、今日とこれから(零下はるかでの化学;究極の球体―泡の科学;あきれる精度を持つ道具;周期表を重ねる(延ばす))
著者等紹介
キーン,サム[キーン,サム][Kean,Sam]
ワシントン州在住のサイエンス・ライター。「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」「ニュー・サイエンティスト」などの各誌に寄稿する
松井信彦[マツイノブヒコ]
翻訳家。1962年生。慶應義塾大学大学院理工学研究科電気工学専攻前期博士課程(修士課程)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
56
副題にー「最も簡潔な人類史」への手引きーとあるように元素にまつわる人間ドラマが繰り広げられます。アインシュタインやガンジーの原子や元素に関する失敗やあとがきには俵万智さんの短歌も引用されています。地球のみならず全宇宙の原材料がほんの限られた元素であり、この組み合わせで全てができていることに感銘します。2024/09/13
いっちゃんず
35
元素周期表に関する、マジメなものからトンデモ話まで、バラエティーに富んだ内容の科学読み物。メントスコーラの話とか読者にやさしく伝えようとはしているものの、文系の私には難しくてよくわからないところもあった。さらに字が小さくて改行が少なくて400ページの分厚さで、しかも苦手な翻訳ものなので、私が一冊読む時間としては最長レベルの2週間(T_T)面白い内容が所々にあったので何とか投げ出さずに読了。2015/12/05
matfalcon
17
マリー・キュリーの研究ノートは100年経った今でも放射能を出している。以前、クラクフで展示品を見たとき、彼女の日用品が厳重にガラスで密封されていたのが印象的やった。ラジウムを素手で扱うことなど、当時の知見では当たり前のころやったんやろな、特に数トンの岩石から単離せなあかんかったわけやし。19世紀以降は新元素発見に血道をあげる化学者たちの赤裸々が迫力。サーカス王、バーナムが自分の名を孫が継げば全財産を譲る、と申し出たのもむべなるかな。なんせ、自分の名前が永久に元素名残るんやぞ。2017/03/26
ゆき
6
元素記号と、どんな性質なのか、どうやって活用されてきたのかを知る本ですが、内容がやっぱり濃い。なるほどと思うことが多い。2013/12/09
遊星きょうだい
6
「うう、さ、さむい、もうだめだ!う、動けない・・」「しっかりしろ、身よ寄せ合うんだ!」→ボース=アインシュタイン凝縮。みたいに、元素たちを、吉田戦車の描きそうなマンガのキャラに変換しながら読んでました。楽しめます。元素に肩入れして読むと、全ての化学者がマッド・サイエンティストに見えます。というか、これ、ダイジェストでいいので吉田戦車にマンガ化してほしい。2012/04/23