人々の声が響き合うとき―熟議空間と民主主義

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  • サイズ B6判/ページ数 100p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152092038
  • NDC分類 361.47
  • Cコード C0030

内容説明

「合理的無知」「説得産業による印象操作」に支配された現行の世論調査では真の民意は諮れない。本書は、熟議にもとづく民主主義理論を展開し、また熟議の質を高める条件を提起する。著者は世論調査と熟議に基づく討論フォーラムを結びつけた「討論型世論調査=DP」のシステムを考案。アメリカ、EU、中国を含む世界の15以上の国・地域で、40回以上の実証実験をおこなった。理論と実践が結びついたDPの実際をあますところなく紹介する一冊。

目次

1 民主主義の理想(古代アテネから現代アテネへ;公衆の意見聴取 ほか)
2 民主的改革のトリレンマ(どのように市民の政治関与をはかるか;熟議 ほか)
3 対立するビジョン(四つの民主主義理論;競争的民主主義 ほか)
4 熟議民主主義を実践的に(公共圏に息を吹き込む―四つの問題;どれだけ関与するか ほか)
5 熟議で結果を出す(中国の例;代表性 ほか)
6 困難な状況下での熟議(意見聴取の限界に挑戦する;分断された社会―隔たりを越えて ほか)

著者等紹介

フィシュキン,ジェイムズ・S.[フィシュキン,ジェイムズS.][Fishkin,James S.]
1948年生まれ。イェール大学で政治学博士号、ケンブリッジ大学で哲学博士号を取得。スタンフォード大学教授。スタンフォード大学Center for Deliberative Democracy所長。熟議民主主義の権威であり、従来の世論調査に代わる、熟議にもとづく「討論型世論調査(DP=Deliberative Polling)」考案者の一人。アメリカ、EU、イギリス、ブルガリア、ギリシャ、オーストラリア、中国など世界各国で実証実験をおこなっている

曽根泰教[ソネヤスノリ]
1948年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。慶應義塾大学DP研究センター長

岩木貴子[イワキタカコ]
英日・日英翻訳家。早稲田大学文学部及びダブリン大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐっさん

1
地方自治体とかから熟議民主主義が取り入れられてもいいと思う。そもそも熟議民主主義がまだあまり知られていないので、現在の間接民主主義に不満がある人にはこういう方法もあるということを知ってほしい。 世論調査に熟議を加えると費用と手間がかなりかかり大変ではあるが、本来民主主義とは一部のエリートが治めるのではなく、一般の民衆が治めるものだと思うし、熟議民主主義を行うことによって政治に関心を持つ人が増えて、教育されれば、それは実現可能な理想だと思う。2014/03/10

Kazuhiko Yokoya

1
本書は、現代民主主義社会で政治的平等と熟議をどのように実現させるかをテーマとしており、その実現手法として「討論型世論調査」を提唱しています。討論型世論調査とは、無作為抽出した人々に討論と専門家への質疑を経験してもらい、その前後で意見がどのように変化したかをみるものです。 筆者は、「合理的無知と説得産業による印象操作に支配された現行の世論調査では真の民意は諮れない」としています。 民主主義への失望を乗り越えようとする人にとって、勇気付けられることは間違いありません。私は読んで勇気付けられました(^^)2013/03/01

naokit

0
とても興味深い読み物だった、もちろんたくさん勉強になった。子供の頃から、従来(生)の世論や、票を取り合う「党」中心の政治は、何か変だなとおもっていた。その辺もこれを読んですっきりした。民主主義の多様なあり方、熟議の可能性、政治への興味は強い方ではないけれども、皆に薦めたい一冊。2015/11/03

SnowFlakeShow

0
新しい熟議民主主義の制度とその試みを紹介する。アイデアは単純かつ強力だが、設計は容易ではなさそう。2014/03/13

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