内容説明
「合理的無知」「説得産業による印象操作」に支配された現行の世論調査では真の民意は諮れない。本書は、熟議にもとづく民主主義理論を展開し、また熟議の質を高める条件を提起する。著者は世論調査と熟議に基づく討論フォーラムを結びつけた「討論型世論調査=DP」のシステムを考案。アメリカ、EU、中国を含む世界の15以上の国・地域で、40回以上の実証実験をおこなった。理論と実践が結びついたDPの実際をあますところなく紹介する一冊。
目次
1 民主主義の理想(古代アテネから現代アテネへ;公衆の意見聴取 ほか)
2 民主的改革のトリレンマ(どのように市民の政治関与をはかるか;熟議 ほか)
3 対立するビジョン(四つの民主主義理論;競争的民主主義 ほか)
4 熟議民主主義を実践的に(公共圏に息を吹き込む―四つの問題;どれだけ関与するか ほか)
5 熟議で結果を出す(中国の例;代表性 ほか)
6 困難な状況下での熟議(意見聴取の限界に挑戦する;分断された社会―隔たりを越えて ほか)
著者等紹介
フィシュキン,ジェイムズ・S.[フィシュキン,ジェイムズS.][Fishkin,James S.]
1948年生まれ。イェール大学で政治学博士号、ケンブリッジ大学で哲学博士号を取得。スタンフォード大学教授。スタンフォード大学Center for Deliberative Democracy所長。熟議民主主義の権威であり、従来の世論調査に代わる、熟議にもとづく「討論型世論調査(DP=Deliberative Polling)」考案者の一人。アメリカ、EU、イギリス、ブルガリア、ギリシャ、オーストラリア、中国など世界各国で実証実験をおこなっている
曽根泰教[ソネヤスノリ]
1948年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。慶應義塾大学DP研究センター長
岩木貴子[イワキタカコ]
英日・日英翻訳家。早稲田大学文学部及びダブリン大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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