サイクリック宇宙論―ビッグバン・モデルを超える究極の理論

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  • サイズ B6判/ページ数 310p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152091291
  • NDC分類 443.9
  • Cコード C0042

出版社内容情報

宇宙創成の理論として、発達著しい観測技術がもたらす精密なデータの裏づけを得たビッグバン理論。この理論は現在、多くの学者がスタンダードなものとして認める定説である。しかし、そのビッグバン理論、およびそれをささえるインフレーションモデルには、じつは穴があった。本書の著者たちは超ひも理論として有望視されているM理論に触発され、その穴を補う新理論をうちたてた。宇宙は2つのブレーンワールドが衝突することにより、膨張と収縮を周期的に、ことによると永遠に繰り返すという、サイクリック宇宙論である。もともとインフレーションモデルの信奉者であった著者の一人がサイクリック理論に「転向」したのはなぜか。4次元を超えた見えない余剰次元は、循環する「終わりなき宇宙」像でどのような役割を果たすのか。さまざまな宇宙論の歴史を縦軸に、最新の研究者の営みを横軸にして活写する、大胆不敵なポピュラー・サイエンス。

内容説明

しっかりとしたデータの裏付けのある、業界の定説にあえて反旗をひるがえす著者たち2人はドンキホーテなのか?違う。ビッグバン=インフレーション理論を真摯に検証して、その傷をふさいだ結果が、宇宙は永久に膨張/収縮のサイクルを繰り返すという理論だったのだ。宇宙論の変遷をコンパクトにまとめ、最先端科学のダイナミズムを体感させる、出色のポピュラー・サイエンス。

目次

二〇〇一年
第二幕
一つの宇宙についての二つの物語
粒子から宇宙へ
インフレーションと二人の宇宙論学者の物語
ひもからエキピロシスへ
宇宙のサイクリックモデル
最後の質問
百聞は一見にしかず
インフレーション多宇宙かサイクリック宇宙か
バック・トゥ・ザ・フューチャー

著者等紹介

スタインハート,ポール・J.[スタインハート,ポールJ.][Steinhardt,Paul J.]
1952年生まれ。現在はプリンストン大学のアルベルト・アインシュタイン記念教授

トゥロック,ニール[トゥロック,ニール][Turok,Neil]
1958年南アフリカ生まれ。ロンドン大学インペリアル・カレッジで博士号を取得、フェルミ研究所、プリンストン大学、ケンブリッジ大学でインフレーションモデルの検証法の研究をおこなう。研究活動だけでなく、アフリカ大陸の教育水準向上のために2003年、南アフリカでアフリカ数理科学大学の設立に参加した。現在はカナダのペリメーター理論物理学研究所所長

水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家。東京大学理学部卒。博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GASHOW

8
人間としては、輪廻を信じたい。地球上の生物が循環しているように宇宙もそうであってほしい。宇宙の膨張が終わったら収縮がはじまるのかそれにしても兆年単位なので確認しようもない。熱力学第二法則のエントロピーの増大が収縮に転じるということのイメージがつかない。宇宙の終わりは、「恐怖が空からやってくる!」ですべてが終わる世界についてにあるように、個人的にはサイクリックしないような気がする。2016/08/22

koji

7
ビッグバンには、①一様性、②非一様性、③平坦性の問題があり、その解決策として登場したインフレーションモデルも、ビッグバンの1秒後に発生したインフレーションエネルギーという仮定に疑問があり、そこから著者2人は宇宙が1兆年以上の周期で何度も繰り返しながら進化していくサイクリックモデルを提唱します。本書は、そこに至る苦闘をM理論、ひも理論、余剰次元、2枚のプレーン等を駆使し、重力波等にも言及し、余すところなく書き尽くしています。私の粗雑な頭ではとても理解が追いつきませんでしたが、それでも本書にはワクワクしました2010/07/20

手押し戦車

7
膨張はバネの両側に板が着いていて引っ張って伸ばしているが離すと縮み板の間の空間のダークエネルギーが超高圧ガスに変わり収縮の末ビッククランチになり高圧のダークエネルギーの一部が突然高温の物質と放射に変わりヒッグス粒子が消え雪が溶け水滴になる様に物質が消えビックバンを起こし宇宙が膨張を始める。季節の移り変わりの様に宇宙もビックバン、膨張、収縮、ビッククランチを繰り返す。宇宙空間は一度全てをリセットし無になりビックバンで散らばった元素をリサイクルして有りを創り出す。宇宙四季を繰返し惑星を作り変える。有無の世界2014/09/30

メロン泥棒

2
訳書2010年刊。原著2007年刊。よくわかる(?)M理論とそれを応用したサイクリック宇宙論。インフレーション宇宙論が持つ複雑さに疑問を感じ、サイクリック宇宙論に転向した宇宙物理学者による著作。ヒモ理論とM理論を基本とし、1兆年というサイクルで宇宙は創造と破壊を繰り返しているという説。インフレーションよりも設定は単純だという話だが、まだ新しい説であるため、十分な作り込みができておらず、今後どの様な計算結果が出てくるかわからない。今後の展開に期待というところだろうか。2010/11/09

にしがき

1
👍👍👍2017/05/20

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