ハヤカワepiブック・プラネット
千の輝く太陽

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  • サイズ B6判/ページ数 444p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784152089762
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

望まれぬ子として生まれたマリアムは、粗末な小屋で母と暮らしている。父は土産を持って毎週娘を訪れるが、兄弟達に逢わせることも、経営する映画館に連れて行くこともしない。ある日、マリアムは父の屋敷を突然訪れ、その扉を叩いた。それが、悲劇の始まりになるとも知らず…。そして彼女の人生は闇に包まれる。二十年後、聡明な少女ライラとの間に、美しい心の絆が生まれるまで。アフガニスタンの激動の歴史に翻弄されながらも力強く生き抜く女達の姿を感動的に描き、2007年度全米年間ベストセラー1位を記録。『君のためなら千回でも』著者の傑作長篇。

著者等紹介

ホッセイニ,カーレド[ホッセイニ,カーレド][Hosseini,Khaled]
1965年、アフガニスタンの首都カブール生まれ。1980年にアメリカへ亡命し、医師として働きながら執筆活動をはじめ、全世界で1000万部超を記録する大ベストセラーとなった『君のためなら千回でも(カイト・ランナー/改題)』(ハヤカワepi文庫)で華々しくデビューした。同書はマーク・フォースター監督によって映画化されている。2007年5月に発売された『千の輝く太陽』はアメリカの各紙誌で絶賛され、「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリスト第1位を記録。2007年度に同国で最も売れた小説となった。現在でも世界各国のベストセラーリストの上位を賑わしている

土屋政雄[ツチヤマサオ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

88
内乱に翻弄され、男性に虐げられたアフガニスタンの女性たち。それでも彼女達は日常の幸せと希望、尊厳を失うことはない。ハラミー(私生児)として生まれ、30歳以上も年が離れた夫に虐待されるマリアムと学校に行くことができた聡明なライラ。彼女らを真の意味で結びつけたのがマリアムに懐いたライラの娘、アジザだった。そしてイスラム教徒は誰しも悪くはない。イスラム教が本来、目指そうとした女性への敬意と思いやりの心も忘れない男性もいたのに・・・。マリアムがザイマルに謝り続けた事と刑務所の女性たちに慕われた事には涙が止まらない2017/05/23

まつこ

58
読むのがすごく辛いけれども目を逸らしてはいけないアフガニスタンの現実を読んだ気がします。ただ小説としてもストーリーが本当に良かったです。一瞬つかんだ幸せが一つの砲弾をして崩壊してから、長い時が止まります。そしてそれしか方法がないどうしようもない悲劇が、小さな幸せと未来への希望をもたらしてくれました。「―――雑草だった。だが、あたしは人を愛した。愛してもらった」この声が聞けなければどれだけ悔しかったか。そして恐らくその思いを感じ取ったうえでの最後の文章がたまらないほどの涙を誘います。大切な本になりました。2015/02/19

らむれ

57
読むのが辛かった。戦争、暴力、爆弾、地雷。まさか、と思う悲劇がどんどん降りかかる。 恐怖に背中を押されるようにページをめくる。こういう世界が存在する。自分の無知を恥じる。イスラムが悪い、という考え方は無しで。(一部の狂信者をのぞいて)ムスリムらの世界が愛にあふれていることが、登場人物たちしっかりと伝わってきます。無関心であるのをやめて、少しでも多くの人にこの物語が届くように。世界から武器がなくなるように。 2017/03/15

豆ぽち

30
完璧に美しく何より悲しい物語だった。アフガニスタンに生きる彼女達の現実に、息が詰まった。不義の子として生を受けたマリアム、その人生を人は哀れむのかもしれない。でも、その人生全てをまるごと受け止めて生き抜いたマリアムの命は可哀想でもちっぽけでもない。人は、何故生まれるのかはわからない。でも、今生きている私は、その命の限りに精一杯生き抜くことが唯一できることで、それが生きる意味なんだと思う。どんな命も皆大切で、誰から生まれたとか何を成したとか犯した罪とかそういう事でなく、人を、命を、愛したい。2017/02/08

兎乃

24
ニューハンプシャー州で米大統領選挙の投票が始まった日に読了。作品はアフガニスタン1970年代から2000年代初頭が舞台。私生児:ハラミーとして生まれたマリアムと進歩的両親のもとに生まれたライラ。女たちの過酷な運命と環境に、胃を絞られるような思いをしながら読むも、あまりの過酷さに中盤で少し休んだ。ラストは滂沱で少々自分自身を持て余した。美しい希望的なラストは、希望でしかないのだろうか。イスラム文化は高度で美しい反面、女性問題は多々残る、けれど、それを文化圏外の私が安易に批判できるのか。考えさせられます。 2012/11/07

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