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ザ・ロード

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152089267
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

空には暗雲がたれこめ気温は下がり続ける。目前には、廃墟と降り積もる灰に覆われた世界が……。父と子はならず者から逃れ、必死に南への道をたどる。世界は本当に終わってしまったのか? 荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を独自の筆致で描く巨匠渾身の長篇。

内容説明

父と子は「世界の終り」を旅する。人類最後の火をかかげ、絶望の道をひたすら南へ―。アメリカの巨匠が世界の最期を幻視する。ピュリッツァー賞に輝く全米ベストセラーの衝撃作。

著者等紹介

マッカーシー,コーマック[マッカーシー,コーマック][McCarthy,Cormac]
小説家。1933年、ロードアイランド州生まれ。トマス・ピンチョン、ドン・デリーロ、フィリップ・ロスと並び称される現代アメリカを代表する巨匠。大学を中退すると、1953年に空軍に入隊し四年間の従軍を経験。その後作家に転じ着々と評価を高め、“国境三部作”の第一作となる第六長篇『すべての美しい馬』(1992)(ハヤカワepi文庫)で全米図書賞、全米批評家協会賞をダブル受賞した。第九長篇『血と暴力の国』(2005)は、2007年度アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『ノーカントリー』の原作として話題になった。ピュリッツァー賞を受賞した2006年発表の『ザ・ロード』発売後ただちに英米の有力各紙誌で激賞された

黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

74
幼い頃テレビで観た『猿の惑星』がとんでもなく恐ろしくて、ポストアポカリプスものは避けていたのに、大人になったらポストアポカリプス世界観のゲームを熱愛している。ボロボロであればあるだけロマンを掻き立てられる究極のダメージ加工。子供は未来に向かって生き、大人は過去の記憶と共に生きる、そういうことだろうか、と読みながら思う。少年がパパに向ける眼差しと戸惑いに、子供の頃、幽霊の類が怖くて仕方なかったことも思い出す。ありもしない幻想を見ながら生きている大人がひしめく世界では、何処に幽霊がいても不思議はなかったのだ。2023/07/26

アン

74
秩序も失われた荒凉たる世界の終末。寒さ、飢え、焼死体、強奪といった朽ち果てる道に直面し、南へとひたすら歩き続ける親子。親子が度々口にする「火を運んでる」と「善い者」という言葉が心に響きます。寂寥感が漂う中で親子の深い絆の存在が際立ち、少年の怯える気持ちをしずめようとする父親の姿に胸を打たれます。「パパの心は全部お前のものだ…」極限状態で問われる人間性。2007年ピュリッツァー賞受賞作品。2019/03/15

NAO

71
再読。原爆投下の日に生まれた少年。厳しい状況で生まれ、自分自身も飢えに苦しみやせ細っているというのに、少年は、父が出会った人に優しくないと言い、相手を撃ったと言い、食料を分けてやらなかったといって父と口をきかなくなる。少年は父にとって希望であり、命であり、良心・人間性の守護神でもある。そして、少年は、父が少年のために守り抜いたものを引き継いで旅を続けるのだろう。荒涼とした終末世界にいながら、二人の心のありようの優しさ、美しさに胸が苦しくなる。読んでいると耳の奥で、静かな音楽が聴こえてくるようだ。 2016/06/16

kariya

62
荒廃し尽くした大地を、南へ向かう父と子。目にするのは正しく地獄であり、人は心を失った鬼に近い。ただ息子を守るという点にのみ己の人間性が残されていると信じる父は、他の「善い者」の存在を息子に肯定するが、善なるものは全て滅びたとも思っている。だから何度も一つの問いを自問する。けれど少年と共に在るのが父一人ならば、その善良さも無垢さも、父から受け継いだものではなかったか。それこそが、光であり希望であり「火」ではなかったか。心痛む描写も多いが、父親の選択、そして結末に涙しながら、読んでよかったと心から思えた一冊。2009/06/20

Vakira

59
コーマック・マッカーシーの本は2冊目だ。映画では「ノー・カントリー」「悪の法則」などかなり冷酷な悪の物語を作る作家の印象であったが、この物語はSFであった。「地球最後の男」とか「マッドマックス2」「ポストマン」の様な核戦争か何かで多くの人類が滅んだ後の世界を親子が旅する話だ。植物、動物の姿が見えない。生きるためには、廃墟となった家から何か食べるもの探すか、人を殺して食べるかだ。この親子は善人として人を食べることはしないが、少年は餌として生き残っている悪に狙われる。この親子は、悪から逃れつつ、旅を続ける。2014/05/05

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