人類が消えた世界

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  • サイズ B6判/ページ数 439p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152089182
  • NDC分類 519
  • Cコード C0040

内容説明

住人を失ったあなたの家は、その時点から腐りはじめ、100年後には煙突のレンガなどを除く屋根や壁のほとんどは崩れ落ちるだろう。高層ビルを擁する大都市もまた、地下への浸水から崩壊し、長くは持たない。人類なきあとにはどんな動物たちが地上を闊歩するのか。犬はもはや人間なくしては生きられないが、猫は小動物を狩りながら自由を満喫するだろう。アフリカで人間の後釜に座るのはヒヒかもしれない。人間が残したいと願う文化的生産物は、銅像などを除けば、ほとんどが数万年のうちに跡形もなく消え去るが、プラスチック粒子、放射性物質などはその後も地球の生態に大きな影響を及ぼし続ける。また、テレビ番組の電波は宇宙空間を永遠にさまよい続け、どこかの知的生命体の退屈を紛らせるかもしれない…。ニューヨークからパナマ運河、朝鮮半島まで世界中をフィールドに、最新の科学的知見にもとづき、人間の営みを多角的に見つめなおして描き上げる驚愕の未来予測。

目次

サルの公案
エデンの園の残り香
崩壊する家
人類が消えた街
人類誕生直前の世界
消えた珍獣たち
アフリカのパラドクス
崩れゆくもの
持ちこたえるもの
プラスチックは永遠なり
世界最大の石油化学工業地帯
農地が消えた世界
古代と現代の世界七不思議がたどる運命
戦争のない世界
人類が消えた世界の鳥たち
放射能を帯びた遺産
大地に刻まれた歴史
私たちはこれからどこに行くのか?
時を超える芸術
海のゆりかご
わたしたちの地球、私たちの魂

著者等紹介

ワイズマン,アラン[ワイズマン,アラン][Weisman,Alan]
ジャーナリスト。1947年ミネソタ生まれ。「ハーパース」「ニューヨークタイムズ・マガジン」「ディスカバー」など数多くの新聞、雑誌に寄稿している。アリゾナ大学で国際ジャーナリズム学を教えるほか、ホームランズ・プロダクションでラジオ・ドキュメンタリー制作を手がけている。彼の代表作となった本書は、タイム誌の2007年ベストノンフィクションに選ばれたほか、Amazon.comやiTunesオーディオブックの年間ベスト(ノンフィクション部門)でも第一位となっている。現在は、彫刻家の妻とともにマサチューセッツに住んでいる

鬼澤忍[オニザワシノブ]
翻訳家。1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

33
【文庫版で読了】地球から人類だけがいなくなったら何が起きるか。多方面からシミュレート。誰も居なくなった後のことに何の意味が?→読み手しだいの黙示録。◉9章「プラスチックは永遠なり」たった半世紀前に作り出されたこの物質の影響は、海洋プラ問題で近ごろ喧伝されているとおり。SFだった海水プラスープは現実のものになりつつあり、地層や鉱脈にすら。「プラは腐らない」子ども心にどうなるのか…?と心配したものですが、今のところ結論なし。◉ じっくり読ませる思考実験。でもほんと、文章は半分ぐらいに刈り込めないかなぁ…。2020/09/09

アナクマ

28
思考実験。地球に遺された物は、錆びる、浸る、崩れる、蔓延る…。◉17章_長く残るのは陶磁器やブロンズ像、宇宙に飛んだパルス、ボイジャーなど。自分のパワポや書評、DNAはもちろん、人類の足跡が全て無に帰す可能性がたっぷりとある(というか確実にある)。だからこそ、ああ、今日のビールがうまいのだ。◉歴史、文化、科学、何にせよ根本原理や全体像を見せてくれる本はいい。精神的な遠旅をさせてくれる。ただし、ちゃんと日常に戻ってこよう。人間は、対面する相手と半径数メートルにおかしみを見出し寿ぐことに注力したほうが幸せだ。2022/01/08

アナクマ

28
【文庫版で読了】16章−大地に刻まれた歴史。カナダ、直径800m深さ300mのダイヤモンド鉱山。石炭採取のために数百万平方km規模で山頂から平らに削り取られていくアパラチア山脈。人が積み上げた石造りのマヤ遺跡は密林に覆われて存在する。これらは残る。◉なぜマヤ文明は消えたか。研究者は言う「エリート層が増えすぎた」。また、2億年前の地層/大絶滅の痕跡から、その後の生物実験を描いて曰く「人間はそのうち絶滅します。私たちだけが違うと考える理由はありません」◉歴史と科学に学び、その上で希望を携えて今日を寿ぎたい。2020/11/15

アナクマ

26
もしも今日、世界から人類だけが消えたら。テーマも導入もクール。「機会が与えられれば、自然はどこまで繁栄するのだろうか」◉2章_崩壊する家。ゾッとする話。この資産は常に外敵から攻撃され続けていて、ついには時間を味方につけた有象無象に完敗する。まして手入れするヒトが居なければ即座に。◉我々が消え去っても、悲しむ者は多分いないのだろう(ペットの一部は最初だけ違和感を感じるかもだが)。でもそれは私にとっては希望のように心地よい。それでも束の間、この素晴らしい世界で遊ばせてはもらえるのだから、何も言うことはない。2023/01/12

Willie the Wildcat

26
自然の力。特に、治癒力、生命力。生物学はもちろんのこと、環境学など多分野の視点で、興味を広げる。特に、自然の再生、そして人類文明の軌跡・影響・貢献。自然淘汰ではなく、『自然循環』の印象。確かに人類の功罪の判断は難しく、一般論でいえば、批判が過半数を占めるものと推察。ただ、反省すべきは反省した上で、かつ自然との共存を前提に、人類のこれまでの”挑戦”は認めたいし、今後も続けて欲しいと感じる。本題とは外れるが、本著は現実感たっぷりで、SF小説としても面白いかもしれない。2013/02/10

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