大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088932
  • NDC分類 451
  • Cコード C0044

内容説明

1960年8月。ジョゼフ・キッティンガーは大空の端から飛び降りて、地表に生還した。彼は3万メートル以上の上空、与圧服がなければ血液が沸騰し、同時に体中が凍りついてしまう苛酷な場所へと巨大なヘリウム気球で昇り、そこからパラシュートで降下したのだ。キッティンガーが降下の間に通りぬけたこの大気が、地球を生命で満たすことを可能にした。大気は呼吸に不可欠であるだけではない。それは植物によって気体から固体の食物へと姿を変えるし、大地を暖かい毛布のように包み込む。さらに、遠距離無線通信を可能にし、宇宙から降り注ぐ危険な放射線を防ぐ役目も果たしているのだ。17世紀のガリレオによる空気の重さの測定、隻眼のパイロットが発見した「空気の大河」ジェット気流、農家の若者が納屋の扉を黒板代わりにして解き明かした大気の循環の謎、ぜったい安全であるはずの冷却剤がもたらした思いもよらない危機…。『スノーボール・アース』のガブリエル・ウォーカーが、大気の謎とそれにかかわった人々の歴史から、地球に生命が存在する理由にもつながる壮大なストーリーを描いていく。わたしたちの頭上に広がる世界を巧みに綴った傑作サイエンス・ノンフィクション。

目次

第1部 気持ちよい毛布(頭上に広がる海;生命の霊薬;食物とぬくもりと;風に吹かれて)
第2部 地球を護る空(すべての物語;空の鏡;最後のフロンティア)

著者等紹介

ウォーカー,ガブリエル[ウォーカー,ガブリエル][Walker,Gabrielle]
ロンドン在住のサイエンスライター。ケンブリッジ大学で化学の博士号を取得し、「ネイチャー」「ニュー・サイエンティスト」各誌の編集、プリンストン大学の客員教授を務めたほか、BBCラジオで多くの科学番組に出演している。『スノーボール・アース―生命大進化をもたらした全地球凍結』(早川書房)では、毎日出版文化賞を受賞した

渡会圭子[ワタライケイコ]
翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スプリント

6
大気をめぐる発見と研究の歴史 2025/03/20

おだまん

4
前作「スノーボールアース」での期待を裏切らない、分かりやすい「大気の歴史」。懐かしい化学者からあまり名前を知られることのなかった科学者にも焦点を当て、大気の未来に警鐘を鳴らしています。こんな素晴らしい地球を、人間のエゴで絶対壊してはいけないですね。2008/02/25

メルセ・ひすい

3
9-57 赤67 中高生、科学離れ・・阻止用・・誘いの書。大気の謎とそれにかかわった人々の歴史から、地球に生命が存在する理由にもつながる壮大なストーリーを描く。私たちの頭上に広がる世界を巧みなストーリーティングで綴った、傑作。大気という海こそが生命の母・・私たちは母なる大気という海の底で、大気を糧にして、大気に護られ、大気を伴侶にし、生きているんです。大気の不思議・謎・自然への慈しみが沸上がる書。なお、最先端の研究成果もエピソードを交えて噛み砕く、ドクシャ諸君への離乳食です否珈琲かな・・     2008/03/22

Sakira_Heso

1
数年前に読了済みなのですが、最近原書を購入したのをきっかけにもう一度じっくり読み返しました。 冒頭から頭の中に映像が浮かぶような丁寧で分かりやすい文章で、読んでいる間は自然科学の歴史をドキュメンタリーで体験しているような気分になります。また、学校の教科書には載っていない化学者の人物像などの掘り下げもあり、とてもワクワクして読めます。教科書では無味乾燥な暗記のワードだった事柄や人物に、血が通うきっかけとなるのではないかな。学生さん達にもお奨めの一冊です。2022/01/30

Yoshi

1
地球を覆う大気がいかにして地球で作用しているか、宇宙から地球を守っているかなど興味深く読めた。 雨、風などの話から、空気の中にある物体の話電子の話、オゾン層の話や宇宙からくる放射能の話など人間が生きる環境のもとにある見えない物とそれらを発見してきた多くの偉人に対しての理解が深まった。 自然科学の基礎は軽視されやすいのだが、こうした本を一読しておくと今生きている地球に対する視線も少なからず変わるのだろう。2021/12/27

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