内容説明
古代文明の遺跡が眠るメソポタミヤ。発掘にあたる調査団の宿舎でつぎつぎと怪事件が起きる。窓からのぞくぶきみな顔、深夜の倉庫にちらつく怪しい光。そして調査団リーダーの美しい妻には、十五年もまえに死んだはずの元の夫から、なぞめいた脅迫状が届く。だがそれはすべて、まもなく起きる殺人事件への序曲に過ぎなかったのだ…中近東を舞台に、過去からの亡霊を相手に名探偵エルキュール・ポアロの推理が冴えわたる。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ][Christie,Agatha]
1890年イギリスのデヴォン州生まれ。少女時代は、読書に熱中。1914年に結婚。1920年に長篇「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。1928年に離婚した後、1930年には考古学者マックス・マローワンと結婚。100以上の長篇、短篇、戯曲、エッセイなどをのこし、1976年に死去
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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timeturner
5
あの殺人トリックはタイミングが難しくない? あんなにうまくいくかな。でも、最初のほうのさりげない1行がしっかりヒントになっているところはさすが。登場人物が多いわりに使いきれてない感じは残念だった。あと100ページくらいあってもよかったのにね。2024/05/14
みどりむし
4
トリック自体も面白かったんだけど、それ以上に歴史的背景というか、当時のイラクはイギリスの支配下にあったからたくさんのイギリス人が行き来してたのも面白いし、アガサ自身が夫の仕事柄、古代遺跡の発掘調査に行ってたのも意外だった2024/02/01
向日葵
4
後半で一気に今までの伏線を回収するのがすごく面白かった。本の内容とあまり関係ないけどポアロの「プディングの味は食べてみないとわからない」ってセリフが印象的だった。2021/10/07
遠藤三春
1
手記形式で話が進んでいく。面白かったけど、ここまでクリスティー作品を読んでだんだん犯人のパターンが見えてきた。意外性もあり面白かったけど、もう一捻りあってもよかったなぁ。解説でクリスティのことが少し書いてあり、結婚失踪離婚からの、クリスティ40歳の時に26歳の考古学者と再婚。なかなか面白いなぁ。エッセイがあるらしいけど翻訳されているのだろうか。他の作品も楽しみ。2020/09/22
よねむし
1
アガサクリスティの面白さは、この加速感ですね。 前半はゆったりと。どこでしおりを挟んでもいい。後半にかけて加速がかかり、ラストはもう、しおりを挟むことが許されない速度で読みきってしまう。 ドキドキワクワクの加速感。謎自体が面白いとか、犯人が意外だとかいう要素より、なんだかこのゆっくり加速してゆく乗り物に揺られている感覚が、とても楽しいです。 娘より一週間遅れて読破。2017/12/21