内容説明
SFファン必携。珠玉のエッセイ全34篇が映しだす1970年前後激動の日本SF界の記録。
目次
1 Essays by Japanese Authors(本能と理性(星新一)
もしもSFがなかったら(筒井康隆) ほか)
2 Essays on Author(星さんとぼく(真鍋博)
ピザロの白鳥的怪物(手塚治虫) ほか)
3 Essays on Science Fiction(見果てぬ夢(福島正実)
推理小説とSF(佐野洋) ほか)
4 Essays on World Science Fiction(アスタウンディング誌と私(野田昌宏)
イギリスSFの系譜(伊藤典夫) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
26
1968年10月から刊行が始まった『世界SF全集─21世紀の文学』の付録の月報に掲載されていたエッセイを集めたものですが、全105編のうち“厳選”された34編しか収録されていない点に注意が必要です。個人的には、深町真理子氏と種村季弘氏が除外されているのが残念でなりません。SF自体は好きですし、“厳選”された作家・翻訳家陣も概ね好みですが、オタク臭の漂うイキリ方が鼻について仕方がないエッセイが一部あり、「パイオニア扱いされたい」「あわよくば権威になりたい」という野心を隠そうともしていないのには辟易しました。2019/11/15
ぐうぐう
7
1968年に刊行が始まった『世界SF全集』に付けられた月報のエッセイを収録したこの本を読んでいると、日本SFのまさしく幼年期の終わり、黎明期から成熟期へと移行していく様が垣間見れる。読んでいて思ったのは、SFの良さや革新性を認知させようとする当時のSF作家や評論家達のエッセイは、SFの基本的なスタイルや姿勢を説いているゆえに、SFというジャンルが持つそもそもの精神がとてもわかりやすく伝わってくる点だ。一ジャンルとして完全に市民権を得た現代のSFからでは、ひょっとしたらその精神は、感じづらいのかもしれない。2009/06/06
山田太郎
5
これで1700円は高すぎませんか。全部収録すればいいのに2010/09/25
メイロング
3
どれだけ星新一を中心に回っていたのかと驚く。今見ても全集のメニューはすごい。収録されたメンバーの息づかいとあわせて、当時の熱狂ぶりがうかがいしれる。今では小説の隆盛は以前ほどでもなくなったけど、ネットやケータイ、自動運転やロボットのニュースなど、かなり未来未来している。作家が夢見たとおりに。2015/09/14
Saku
2
SFについて語られたエッセイ。執筆陣がすごく豪華。世界SF全集は、文学としてのSFを意識してSFを読まない人にもアピールしたいという意図があったようだ。ウルトラセブンやサンダーバードが放送されてた頃だし当時はまさに日本のSFの黎明期だったのだね。2011/04/12