内容説明
進化しすぎた人工知性体が自然と一体化したとき、僕と彼女の時空をめぐる冒険ははじまった。Jコレクション創刊5周年記念作品。
著者等紹介
円城塔[エンジョウトウ]
1972年、北海道生まれ。2007年4月、「オブ・ザ・ベースボール」で第104回文學界新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふな
23
どうしたものか扱いかねますというのが最初の感想で、だんだんお話の基礎と骨組みがわかってくると面白くなりました。普通のお話が地に足をつけて現在から未来に向かう世界ならば、これは脚のない魚が前後左右上下に入り組んで絡み合っている世界。三次元の脳で理解するのは無理なので四次元に広げて再読してみようと思います。2015/06/10
東京湾
20
巨大知性体、銃弾、箱、鯰文書、戦闘機、フロイト、八丁掘、超越知性体。分かってはいたがデビュー作からしてさっぱりわからない。わからないと言うかもう頭の中をぐっちゃぐちゃにされた気分である。勿論良い意味で。何とも自分の語彙ではしっくりくる表現が見つからないが、とりあえずはSF小説らしい。物語の流れのままに己を委ねて一篇一篇読み進めていったが、とても楽しかった。先の展開が本当に予想できないその面白さ。散りばめられた着想とユーモアと、その他諸々に魅せられて、やっぱり円城塔は面白いと、心から思えた。また読みたい。2016/09/30
ひょろ
15
小難しいSFのようで実はバカ話である。これを大いに楽しむことができるかはセンス・オブ・ワンダーが問われるところ。超越知性体の登場にあたふたする巨大知性体だとかなんだかどたばたあたふた過ぎて面白い。大いに巻き込まれるつもりで読むといいと思う。2016/05/28
月世界旅行したい
15
文庫版は話が追加されてるらしいがそちらは読んでいません。当時、Jコレクションでいきなり色が変わったあたり編集の気合の入りっぷりにおどろいた。本当にすごい作家が現れたっておどろいたなぁ。最後のオチの付け方は強引だと思った、けれど作者がインタビューで言及してたからなぁ。個人的にはいまだにこれが円城作品で一番わかりやすいと思っているのですけど世間は違うらしい。2014/05/03
里馬
12
読書メーターに感謝した本の一冊。すっかりファンです。2010/03/20