ひとりぼっちのジョージ―最後のガラパゴスゾウガメからの伝言

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 298p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088109
  • NDC分類 487.95
  • Cコード C0045

内容説明

南アメリカの西、およそ1000キロ沖に位置するガラパゴス諸島。ながらく人の手が入ることのなかったこの楽園は、島ごとに独自の進化をとげた特異な動物相・植物相に溢れ、ダーウィンが進化論を着想するきっかけとなった。そんなガラパゴスの特徴的な動物の一つがゾウガメだ。だが、近海で操業する捕鯨船に数世紀にわたって食糧として乱獲され、ゾウガメは激減する。なかでもピンタ島では、20世紀初頭に標本にされた数頭を最後に、姿を消したと思われていた。しかし、1971年、偶然一頭のオスが発見される。保護されたそのゾウガメは、その孤独な身の上と世捨て人を思わせる風情から、「ロンサム(ひとりぼっちの)・ジョージ」と呼ばれるようになった。以来、ジョージは現在にいたるまでガラパゴスの観光の目玉、自然保護のシンボルとして、世界じゅうの人々に愛されている。だが、ジョージの来し方を辿り、生物学的特徴を検証すると、彼の驚くべき真実が明らかになる…。歴史とDNAに刻まれた「過去」から、最先端の生物学によって創造される「未来」まで、そして、小さな島の生態系から世界的な環境問題まで、一頭のゾウガメをめぐって自在なスケールで語られる人と自然の物語。

目次

プロローグ 自然保護の象徴
発見
ロンサム・ジョージのガールフレンド
種の起源はどこに
進化の海を漂う
人間という罠
ナマコ戦争
ピンタ島の謎
連れ去られた仲間たち
島へ帰る日
生命への介入
クローンとキメラ

著者等紹介

ニコルズ,ヘンリー[ニコルズ,ヘンリー][Nicholls,Henry]
1973年生まれ。ケンブリッジ大学を卒業後、シェフィールド大学にて進化生物学を専攻して博士号を取得。現在、イギリスの科学ジャーナリスト、科学雑誌編集者として活躍し、ネイチャー誌、ニュー・サイエンティスト誌、インディペンデント紙などに精力的に寄稿している

佐藤桂[サトウケイ]
翻訳家。上智大学文学部英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

45
異種交配が種を弱くする。年輪で亀は10歳くらいまで年齢がわかる。人口で発情させることは激減種にとっては当然など。いろいろトリビア的な知識が詰まった本ではある。この世で最後の種という立場はどんな感じなのだろう。。今の日本は独身で一生を終わる人間が増えているから、このホンを手にとった気がする。種を残せないという不安がある今だからこそ、私も真剣に手にとれる気がした。2015/08/30

takao

2
ふむ2022/06/24

コウみん

1
約7年前に亡くなったガラパゴスゾウガメのジョージの話で現在の生態系がどれだけ危険なのか教えている一冊。 ジョージ以外にもガラパゴス諸島の動物たちの生態を乱した人間への警告が結構印象に残った。2019/03/02

Nunokawa Takaki

1
読み始めた時は、この「ジョージ」という名のゾウガメがあまりにもかわいそうだったが、読み進めていくうちに、もっと多くの動物が人間の犠牲になったのだと知らされる。ゾウガメという種の維持に努力するぞと言いながら、一方でヤギを大量に殺すのは正当化されるのか。どちらにしても人間が恣意的な考えで動物を殺すのに変わりはない。つまり人間がすべて悪いのだ。読みながら、何が一番の解決になるのか考えてみた。それは「人間が絶滅」することである。というかもともと人間が誕生しなければ良かったのではないか。そんなことまで考えてしまう。2014/02/16

でん@漫画用

0
6月24日に死亡が確認された、最後のガラパゴス・ピンタゾウガメ、ロンサム・ジョージの物語。もっと生きててほしかった。追悼。彼の生涯や彼らの歴史、絶滅の危機にある動物の保護の取り組みとその障害。ジョージを題材に環境保護を叫ぶわけではなく、あくまでも彼の物語。一度無造作に失われたものを甦らせることの果てしない困難さ。2012/06/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1336
  • ご注意事項

最近チェックした商品