ヤモリの指―生きもののスゴい能力から生まれたテクノロジー

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  • サイズ B6判/ページ数 388p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152088079
  • NDC分類 460
  • Cコード C0040

内容説明

吸盤もないのに壁や天井に張りついて楽々と歩くヤモリ、泥のなかでも汚れ知らずのハスの葉、色素もないのに鮮やかな青に輝くモルフォ蝶…科学顔負けどころかたびたびその先を行く自然の卓越した「技術力」を解き明かし、最先端を切り開く人々に直接取材、カッティングエッジなさまざまの研究成果を紹介する、刺激的なポピュラー・サイエンス。

目次

第1章 日の下に新しきものあり
第2章 身づくろいする聖なる大ハス
第3章 自然のナイロン
第4章 天井の歩き方
第5章 自然の瞳に映る小さな輝き
第6章 自己組織化する分子
第7章 昆虫は飛べない
第8章 エンジニアのための折り紙
第9章 圧縮力と張力の建築システム
第10章 未来を(自然に倣って)設計する

著者等紹介

フォーブズ,ピーター[フォーブズ,ピーター][Forbes,Peter]
ライターとして「ニュー・サイエンティスト」誌や「ワールド・メディシン」誌に寄稿

吉田三知世[ヨシダミチヨ]
京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

39
表題のヤモリの指の吸着力、蓮の葉の撥水、蜘蛛の糸、実際着色されていないのに発色して見える孔雀の羽や蝶の翅、蕾の中で折りたたまれた葉など、かつて神秘で片付けられていた自然の不思議が、電子顕微鏡やナノテクノロジーの発展によって理解や応用が可能になり、バイオ・インスピレーションとよばれる自然由来のテクノロジーを最新技術として活用していく未来図。10代に読んでいれば、希望あふれる未来を描いただろうが、人口爆発による移民と宗教戦争によって、現代が中世化する可能性が高い中、こんな叡智は分不相応に感じてしまう。2016/03/12

ヨクト

29
面白い、そして情報量が多い。バイオ・インスピレーション、それは生き物の能力の裏側に潜む秘密を科学で解明する研究のこと。タイトルのヤモリの指のナノ構造、ハスの葉の自浄作用、構造や組織など、自然は遥かなる淘汰の中で本当にすごい能力を手にいれている。解明された能力は人の生活に応用され、未解明の能力の裏には驚くような秘密が隠されているのだろう。ワクワクするね、自然。太古より人は自然より学び、人間社会を築いてきたといっても過言ではない。2014/06/20

zoe

26
The Gecko's Foot (2005)。バイオ・インスピレーション。徐々に変化するカーブ、色、重力に反してくっつく不思議。よく観察して、科学的な裏付けを理解したとき、人間社会に貢献する、応用可能な技術にたどり着く。ロータスエフェクト、フォトニック結晶、ホソクビゴミムシ、蜘蛛、ハエ、ヤモリ、二枚貝、アワビ、蝶、バクテリオファージ、恐竜の骨。2019/06/02

山猫

12
Give up! 英語を母語とする人もしくはエンジニア、専門家向き。2023/10/14

木ハムしっぽ

8
ヤモリの指には微細な襞が無数にあり、一見平滑に見えるガラスでも這い回ることができる。これを応用したのがヤモリテープ。そんな生物の構造から応用した技術をバイオ・インスピレーションと称して紹介している本書。技術の紹介もさることながら、生物の構造にこそ畏敬の念を禁じえない。例えば、砂漠に棲む甲虫、ナミビアン・ダークリング・ビークルの羽根は超親水と超撥水の海島構造になっており、霧の中で羽根を広げて佇むだけで空気中の水分を羽根が集め、口まで水滴を運ぶらしい。驚異的な仕組みが自然界には溢れている。本当に素晴らしい。2021/05/25

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