著者等紹介
若島正[ワカシマタダシ]
1952年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。2004年に『乱視読者の英米短篇講義』で第55回読売文学賞随筆・紀行賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かりさ
53
幻想、仄暗い怪奇、奇妙、不条理な話が大好きです。異色作家作品は感性を刺激される愉しみでさらに胸踊ります。マコーマック、ランドルフィ、ジャン・レイ、キローガなど異彩を放つ奇想の世界篇は魅惑的。異色作家短篇集私にとっての幕開けです。ナギーブ・マフフーズ「容疑者不明」、ロバートソン・デイヴィス「トリニティ・カレッジに逃げた猫」、アイザック・バシェヴィス・シンガー「死んだバイオリン弾き」、ジャン・レイ「金歯」、G・カブレラ=インファンテ「エソルド座の怪人」お気に入り。マコーマック「誕生祝い」は劇薬なので要注意。2020/03/26
藤月はな(灯れ松明の火)
33
イスラム圏内のミステリーは彗星のように現れた幻の作家とも言える古泉迦十氏の『火蛾』しか知らないので『容疑者不明』は掘り出し物でした(オチは・・・でしたけど)後、オラシオ・キローガの短編が読めて嬉しかったです><分からないながらもぞっとする『奇妙な考古学』、ゴシック調で喋る猫との恋の鞘当てに爆笑の『トリニティ・カレッジに逃げた猫』、同性愛的エロティックな『セクシー・ドール』、ラストで一変するグロテスクな『誕生祝い』が好きです。表題作は換骨堕胎の原型である『オペラ座の怪人』が大好きなために複雑です・・・。2013/10/12
たまご
17
世界編なだけあって、かなり方向性が散乱しているように感じました。私がもとネタの知識が足りなさすぎのものもあり(表題作)。しょっぱなの「容疑者不明」、そういっちゃうのに呆気にとられぞわりとし、今を省みてゾクリとし。トリニティカレッジ御愁傷様、な「~に逃げた猫」、これが入ったハイスピリッツ短編集(この猫のハイさ…)読みた過ぎる。酒の魔力、体制の魔力、妄想の魔力、いろんな魔力を味わいました。2022/09/20
かわうそ
17
まとまりはないけどバラエティ豊かでお得感あり。ベストはアイザック・バシェヴィス・シンガー「死んだバイオリン弾き」。ほかでは「容疑者不明」「ジョヴァンニとその妻」あたりが面白かった。表題作は正直よくわからん。2016/07/15
maimai
15
表題作に往生した。これはあれだな、「オペラ座の怪人」やその周辺の文脈を理解していないとダメなやつだな。すみません、出直してきます。一番気に入ったのがエリック・マコーマックで、次がレイモン・クノーって、うーむ、新しい出会いには恵まれなかった。2018/03/14