内容説明
薔薇と十字のもと、数学は宇宙を読み解く―傑出した哲学者にして数学者であったデカルトの残した謎を、万能の天才学者、ライプニッツはいかに解いたのか。科学と神秘が交錯する、混沌とした科学史上の1頁を鮮やかに描く。
目次
パリでのライプニッツの探索
トゥレーヌの庭園
イエズス会の数学と都の悦楽
オランダで出会った難問
ドナウ河畔の炉部屋で見た三つの夢
古代からの難題に悩むアテネ人
ファウルハーバーとの出会いとプラハの戦い
薔薇十字友愛団
海上での剣術とマレーでの会合
デカルトと薔薇十字団
イタリア人の創造物
オルレアンの決闘とラ・ロシェルの包囲網
オランダへの移住とガリレオの亡霊
秘密の情事
デカルトの哲学と『方法序論』
デカルト、古代のデロスの謎を理解する
エリザベート王女
ユトレヒトの陰謀
女王の誘い
デカルトの謎めいた死
デカルトの秘密を追い求めるライプニッツ
ライプニッツ、デカルトの暗号を破り謎を解く
二一世紀の結び
著者等紹介
アクゼル,アミール・D.[アクゼル,アミールD.][Aczel,Amir D.]
カリフォルニア大学バークレー校にて数学を専攻。オレゴン大学で統計学の博士号を取得。数理科学を主題としたポピュラー・サイエンスを主に書く
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家。東京大学理学部卒業。同大学院修了。博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポン・ザ・フラグメント
5
見返しに薔薇十字団云々とか書いてあるから、てっきりオカルト寄りの本かと思って読んだが、全然ちがっていた。つまるところはデカルト伝なのだが、哲学者デカルトよりも数学者デカルトの比重が大きく描かれている。もったいつけて秘密手稿の内容はなかなか明かされないのだが、わかったところで「ああ、そうなの」って程度の驚きしかない。たこ焼きの美味しい作り方を発見したからレシピを暗号で残すって祖父の遺言にあったんで、頑張って解読したところ「卵の量を多くし銅板で焼いたのちソースではなく出汁で食す」って書いてあったみたいな感じ。2016/01/26
ひろゆき
2
デカルトの伝記。ライプニッツがデカルトの手稿を写した事実とその理由が冒頭と結末に置かれているのだが、本を売るための演出のようなものかと。幾何学、代数学の統一を成し遂げた思考が、「我思う故に我あり」に至った意味がよく分かる。私の経験では、このあたりのことをシンプルに説明してくれる教師などはいなかったため、読んでよかったと素直に思う。2018/04/04
左手爆弾
0
記述が散漫で、結局何を書きたかったのかわからない、という印象。全体としてはデカルトの伝記で、デカルトが軍隊に身を寄せたり、薔薇十字団に接近したり、数学の天才ぶりを見せつけていた若い時代と、宗教論争の最中で用心深くなっていく晩年との対比は心に残る。で、それはいいとして、タイトルにもなっているノートの話は最初と最後しか出てこない。メルセンヌやベークマンらとデカルトの交流らを描いてはいるものの、中途半端。途中で関係ない話題にも飛ぶ当たり、散漫と言わざるを得ない。2016/03/20
筋湿
0
トンデモ本ではある。しかし、だからといって遠ざけるには魅力が余りある本でもある。流石の著者。2012/12/22
おだまん
0
数学というより伝記的な本。2010/10/16