著者等紹介
ボーモント,チャールズ[ボーモント,チャールズ][Beaumont,Charles]
1929‐1967。シカゴ生まれ。少年時代からものを書くことを志し18歳のときにハリウッドへ行く。1950年代の後半からテレビ脚本家となり、『ヒッチコック劇場』『拳銃無宿』などを経て『ミステリー・ゾーン』で活躍。劇場用映画でも『姦婦の生き埋葬』や『赤死病の仮面』などのロジャー・コーマン作品や『ラオ博士の7つの顔』などを手がけた。若年性のアルツハイマー病を発症し、38歳の若さで死去した
小笠原豊樹[オガサワラトヨキ]
1932‐。北海道生まれ。詩人、ロシア文学研究家、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
66
数編のみ読む。このハヤカワの海外作家のシリーズは有名な作家ばかりで、読書に目覚めた頃から知っていたが、この作家だけは未読のままだった。ほかで聞いたことのない名前でもあった。ふと、この短編集の「黄色い金管楽器の調べ」というのが「ある種」の話というので読んでみたかったので借りる。あと「魔術師」「夜の旅」を読んだ。悲哀に満ちた話が多い。往年の奇妙な味の小説だった。2021/03/30
藤月はな(灯れ松明の火)
29
「越してきた夫婦」はアイラ・レヴィンの「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出しました。「夢と偶然と」は患者の恐怖に対して精神科医たちがその理由に不可解な様の落差が逆に怖いです。「淑女のための唄」はラストが何とも言えない余韻を醸し出し、「かりそめの客」のTPO氏のはちゃめちゃな言動とそれに従う政治家達に唖然。「性愛教授」は気持ち良くするのは男だけではなく、女が性の主導権を取りたい時があるのだ。特にセッションを組んできたメンバーの痛々しいまでの青春時代で黄金期のきらめきと破綻、哀愁を描いた「夜の旅」が素敵でした。2012/11/12
たまご
18
このシリーズでは,予想の斜め上の着地点を狙った話が多いと思うのですが,本作は,どうも切ない. 盛りを過ぎた後の,昔を懐かしむ切なさ,自分がいいと思ってもみんなには伝わらない切なさ,などなど,ちょっとしんみりするお話が多かったようです.ブラッドベリ風味が強いボーモントの短編を集めた感じでした.2015/03/01
Ribes triste
15
ボーモントが好きです。思っていたのと違う方向に持っていかれる感じ。そして時々作品に現れるほんわりとした人間らしい優しい感情や温かみ。早逝し寡作な彼の短編集が読めるのが嬉しいです。贅沢な時間でした。2021/10/10
Tomoko.H
11
どれもちょっとブラックだったり、馬鹿馬鹿しいのもあるけど読ませる。なんかいろんなことやってみたって感じの短編集。「お父さん、なつかしいお父さん」「性愛教授」「かりそめの客」ちょっと馬鹿馬鹿しい系。「黄色い金管楽器の調べ」「古典的な事件」「夢と偶然と」好き。2015/12/12