命の番人―難病の弟を救うため最先端医療に挑んだ男

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  • サイズ B6判/ページ数 461p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152087225
  • NDC分類 493.6
  • Cコード C0047

内容説明

1998年12月、家屋の修復という天職を見つけたばかりの29歳のスティーヴン・ヘイウッドを悪夢が襲う。鍵がまわせないほど右手の指に力が入らなくなり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されたのだ。ALSは筋肉を動かす運動神経細胞がだんだんと死んでいく難病で、患者は発病から3~5年で亡くなることが多いという。それを知り衝撃を受けた兄ジェイミーは、弟が死んでいくのを何もせず見過ごすわけにはいかなかった。スティーヴンを救うため、短期間でなんとしてもALSの治療法を見つけださなくてはならない。エンジニアで起業家のジェイミーは、最先端医療の分野に可能性を求め、門外漢ながら、治療法を開発するための財団の設立に奔走し、医師や科学者からなる研究チームをつくりあげる。だが、期待の集まっていた遺伝子治療や幹細胞治療は、まだまるで確立されていない手法だった。治療が成功した例は一件もなく、患者に危険がおよぶリスクも大きい。不眠不休のジェイミーが焦燥感を募らせているとき、別の遺伝子治療試験の被験者の一人が副作用で亡くなったことがきっかけで、遺伝子治療試験がすべてストップさせられてしまう…。死の宣告に直面した家族のドラマと、最先端の生命科学がもたらす期待と不安を、ピュリッツァー賞受賞の科学ジャーナリストが率直かつ感動的に描くノンフィクション。

目次

第1部 ドアの鍵
第2部 計画
第3部 構築物
第4部 徴候
第5部 突然の崩壊

著者等紹介

ワイナー,ジョナサン[ワイナー,ジョナサン][Weiner,Jonathan]
1953年ニューヨーク生まれ。ハーヴァード大学卒業後、科学雑誌The Sciencesの編集者を経て、サイエンス・ライターとして活躍する。現在は、コロンビア大学で科学ライティングを教える。著書に、ガラパゴス諸島で今なおすすむ進化を描いた『フィンチの嘴』(ピュリッツァー賞受賞)、分子遺伝学者ベンザーを描いた『時間・愛・記憶の遺伝子を求めて』(全米書評家協会賞受賞)以上、早川書房刊ほか

垂水雄二[タルミユウジ]
1942年大阪生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。出版社勤務を経て、1999年よりフリージャーナリストとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケニオミ

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あなたの連れ合いが不治の病にかかり、たまたまその時期にその病の特効薬が開発された。しかし、開発されたばかりの薬は値段が高く、あなたは購入することができない。機会があればあなたはその薬を盗むか?心理学の授業でこのような想定問題があったことを思い出しました。その時の私の答えは「盗む」でした。この本の主人公は、あらゆる合法的な手段を使って弟を治そうと試みる。その結果は・・・。2011/09/01

あみぷれ

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ミレニアムバブル熱狂の時代に駆け抜けたジェイミーの情熱が熱いです。単なるヒューマンドラマではなく、我々個人が科学とどうつきあっていかなければならないか考えさせられる2011/06/22

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