内容説明
突如地球を襲った大災害!途方もない嵐が世界各地で発生、熱帯地方では大雪が降り、津波による死者は数十万人におよんだ。原因は火星から地球へと伸びる力場チューブだった。火星へと飛来した謎の物体が、火星から地球の大気を盗んでいるらしい。この未曾有の危機に、一人の男が立ち上がった。男の名はカーター・リー―世界的に名高い冒険家だ。プロペラ機による両極間無着陸飛行の途上、南極でこの恐ろしい事件に遭遇した彼は、愛機フェニックス号を駆って大竜巻―力場チューブのなかに飛びこむと、一路火星へと向かったが…表題作「火星ノンストップ」をはじめ、パラレル・ワールドの概念を世界で最初に提示した傑作「時の脇道」、待望の野田昌宏訳による「シャンブロウ」、凍てついた大地にアンモニアの吹雪が吹きすさび、空にナトリウムの爆発がひらめく木星を舞台にした「わが名はジョー」など、全7篇を収録。SF作家としてまた「と学会」会長として知られる編者が、センス・オブ・ワンダーに満ちた珠玉の名作を厳選したテーマ別SFアンソロジー決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
22
★★★ 1930年代~60年代のSFアンソロジー。今となってはトンデモの科学技術やご都合主義は楽しいけれど、いちいち大げさな表現は疲れる。昔は気にならなかったんだけどね。「火星人ストップ」が一番おもしろかった。D2024/12/16
そうたそ
21
★★☆☆☆ 山本弘さんによる、古き良きヴィンテージSFを集めたアンソロジー。どうも最近のSFは小難しくて無理だ、という人も、本書に収録されているような、どこか古臭く懐かしい味わいのあるSFだと、また違った印象を持って読むことができるかもしれない。難点を言うなら、古いがゆえに訳文が相当読みにくいものがいくつかあるということ。海外物が苦手なものとしてはそこが辛いところ。ただ普通だと入手困難な作品も収録されているところは非常にレアではあると思う。個人的なお気に入りは断然「シャンブロウ」。2018/07/08
k16
19
クラシックSFアンソロ。 胸躍る冒険篇だけあって理屈はわからんが熱い作品多い。 プロペラ機で火星に飛ぶ表題作はじめ遠隔疑似木星人の物語「わが名はジョー」、ターミネーター2なモンスター物語「野獣の地下牢」、タウ空間脱出劇「ラムダ・1」とどれも面白い。 ちなみに「シャンブロウ」は野田昌宏訳です。2024/04/04
臓物ちゃん
6
火星人はおらず、金星は灼熱の星で、木星に大地なんてなかった。筒井康隆「ベムたちの消えた夜」のように惑星の情報がアップグレードされるたびに古いSFは現実性を失ったが、面白さまで消えたわけじゃねェだろ!てわけで山本弘先生がベムは駆けめぐり真空管はうなるヴィンテージSFの傑作をセレクトした垂涎ものの作品集。なんといっても表題作がアツすぎ!空の主役が飛行機からロケットへと変わった時代、時代遅れの飛行機野郎が地球を救うため火星へ飛ぶ!という『バトルシップ』の遠い御先祖みたいなハートフルバカSFがたまらんぜ。 2021/07/23
Weapon
3
図書館より。ヴィンテージSFセレクションとある通り、少し古い作品のアンソロジー。 もとはといえば、最近読んだ本の解説でヴァン・ヴォークトが紹介されていて、図書館で探してみた結果。読みたかったのは"黒い破壊者"なのだけど、そっちは本が古くて読みづらそうだったので短編集にした。「火星ノンストップ」「時の脇道」「シャンブロウ」「わが名はジョー」「野獣の地下牢」「焦熱面横断」「ラムダ・1」の7作品。個人的な好みはシャンブロウ。前書きにある通り、全体的に古い作品なので、今の小説がどれだけ進化しているかを感じられた。2025/02/11
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- 和書
- 信教の自由と政教分離