• ポイントキャンペーン

シャドウ・ダイバー―深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 527p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152086488
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

海底に沈没した昔の客船や軍艦に潜り、冒険の証として磁器、海図、舵輪などの遺物を持ち帰るレック・ダイビング―それは血液が窒素で泡立つ減圧症、船内に閉じこめられる、潮に流されるなど、幾通りもの死に方が準備されている危険なレジャー・スポーツだ。1991年、屈指のレック・ダイバー、チャタトンとコーラーがニュージャージー沖の海底に発見したのは、紛れもなく第二次世界大戦時のUボートだった。司令塔は外れ落ち、船体には穴が空き、大量の人骨が泥に埋もれている。だが、どの資料を見ても、その海域ではUボートの沈没はおろか、船舶事故すら起こっていないという。歴史から忘れられた“U‐Who”に興味津々のダイバーたちは謎を解く鍵を求めて深海を目指すものの、水深70メートルの苛酷な環境下、死傷者が続出する。また、発見したいくつかの遺物を手掛かりに、内外の海事専門家を訪ねてまわるものの、艦名すら杳として知れない。他のダイバーたちが恐れをなして去っていくなか、“U‐Who”に潜り続けるチャタトンとコーラーは、その潜水艦の乗組員たちに道義的責任を感じはじめていた。彼らは誰なのか、なぜそこで人知れず生涯を終えなくてはならなかったのか、解明せずに終わるわけにはいかない―。命を賭して潜入した“U‐Who”最後の危険区域で、二人は歪められた歴史の形を見ることになる。深海に待ち受ける危険に息をのみ、陸上での地道な調査に好奇心を刺激され、ダイバーたちが織りなす人間ドラマに胸が熱くなる、冒険と感動に満ちたノンフィクション。

目次

秘密の数字
視界ゼロ
威力を秘めたかたち
ジョン・チャタトン
常識はずれの深さ
リッチー・コーラー
ホーレンブルクのナイフ
該当する潜水艦なし
大きな犠牲
ゆがめられた歴史
届かなかったシグナル
戻らぬ覚悟
試練のとき
逆戻りする魚雷
捨て身の計画

著者等紹介

カーソン,ロバート[カーソン,ロバート][Kurson,Robert]
シカゴ郊外に育ち、ウィスコンシン大学で哲学の修士号を取得後、ハーバードで法律を学ぶが、物書きになる夢を追い“シカゴ・サンタイムズ”に入社。同社の記者時代に“エスクワイア”に寄稿した記事が全米雑誌賞の候補作に選ばれる。その後“シカゴ”を経て、現在は“エスクワイア”で記者・編集者として活躍。他に“ローリング・ストーン”、“ニューヨーク・タイムズ・マガジン”などにも寄稿している

上野元美[ウエノモトミ]
翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロビー

6
伝説のディープレックダイバー(沈没船探検をする深海ダイバー)達が、謎の潜水艦U-whoの正体を解き明かすべく奮闘するノンフィクション。家族を守るためにドライスーツを脱いだコーラー、正体探しに行き詰まり途方にくれるチャタトンらが再び共に潜る経緯は胸が熱くなる。長い年月をかけ、絡み合った糸を解きほぐし、時には大胆な行動でU-whoの正体に迫るダイバー達。史実を書き換えるダイナミックさと、戦時中のUボート乗組員達や探査船シーカーの男達の人間物語、緻密な取材に基ずく史実など、読み応えのある内容でした。2013/07/05

moe

5
数あるノンフィクションものの中でも群を抜いた作品。海底深く沈んだ難破船を探るレックダイバーたち。死と隣り合わせの危険な冒険に一流のダイバーがどう対処していくかが克明に描かれています。ある時発見したUボートの正体を探ろうと幾度となく潜りまた、記録を調べていく過程に思わず引き込まれました。素晴らしい本に巡り合えて満足しています。2011/03/27

yos

5
喉を掘って断言する。この本は、面白い。 深海に沈む1隻のUボート。 そのUボートの名を明らかにしたいという単純な願いに、多くの優秀なダイバーが文字通り命をかけた。 調査は何年間にも及び、死傷者も出、それでも男たちは諦めなかった。不屈の信念で、ついに埋もれた歴史を掘り起こしたのである。忘れ去られようとしていた歴史を。巻末におさめられた数枚の写真を見て、思わず知らず目頭が熱くなった。2006/05/30

takao

4
ふむ2024/01/29

かわのふゆき

4
まだ新年が明けたばかりですが、今年上半期のマイベスト本に間違いなく入るだろう1冊。レジャーとかスポーツといった枠をはるかに超えたディープレックダイビングの危険さに、まさに息が詰まるような思い。2人の男が心を通じ合わせるまで、そして、「冒険」から「使命」へと変化するコーラーの意識に心動かされる。山岳など冒険ものが好きな人、ハラハラしたい人、歴史が好きな人など、幅広くオススメ。2011/01/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/546028
  • ご注意事項