内容説明
現代スペインの象徴とも称される偉大な闘牛士エル・コルドベス。彼ははじめて正式に闘牛場に立つ日、心配する姉に優しく語った。「泣かないで、今夜は家を買ってあげるよ。さもなければ喪服をね」それは内戦下に生まれ、飢えから逃れる唯一の手段として闘牛士を目指し、時に重傷を負い、命さえ落としかねない険しい道を歩みはじめた青年の野心と決意あふれる言葉だった。それから4年。彼はその荒々しい技でスペイン各地に興奮をもたらし、首都マドリードの大闘牛場を熱狂する観衆であふれさせる。ひとりの貧しい青年が恐怖と苦痛を乗り越え示して見せた勇気に、人々は自分たちの未来を重ねたのだ。無の境遇に生まれた男が自らの強い意志で這い上がり勝利を手にするまでの壮絶な半生を鮮烈に描いた驚嘆と感動のノンフィクション。
目次
1 五月のある朝―マドリード
2 戦いの年―パルマ・デル・リオ
3 勇敢な牡牛―マドリード
4 飢えの年―パルマ・デル・リオ
5 闘牛―マドリード
6 マレティリャ
7 ファエナ―マドリード
8 狂った夏
9 真実の瞬間―マドリード
著者等紹介
コリンズ,ラリー[コリンズ,ラリー][Collins,Larry]
1928年9月14日、アメリカのコネティカット州生まれ。イェール大学を卒業後、UPIついでニューズウィーク誌の特派員として北アフリカ、中東、ヨーロッパの各地で活躍した。1954年にパリでラピエールと知り合ったのを契機に共著で第2次大戦中のフランスを題材にしたドキュメント『パリは燃えているか?』を発表、ついで執筆された『さもなくば喪服を―闘牛士エル・コルドベスの肖像』とともに世界的ベストセラーとなっている
ラピエール,ドミニク[ラピエール,ドミニク][Lapierre,Dominique]
1931年7月30日、フランス生まれ。パリ・マッチ誌の特派員としてヨーロッパ、アメリカ、アジアで活躍。優れたドキュメンタリー作品を多数出版、いまなお精力的な執筆活動を続ける第一級の作家である。熱心な慈善家としても知られ、81年にはインドに子供のための人道支援団体を設立、スラム街のハンセン病患者の救済にも尽力している。現在は妻とともにフランス在住
志摩隆[シマタカシ]
1931年生まれ。58年東北大学文学部卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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ビブリッサ
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umeko
Happy Like a Honeybee
ポン