出版社内容情報
無数のホタルが同時に光るのも、ポケモンを観ていて子供たちが発作を起こしたのも、すべては自然の事物がシンクロする「同期現象」で説明できる。この複雑かつ興味深い分野の第一人者が、絶妙な比喩を駆使して語る出色の科学解説。
内容説明
複雑きわまりない現実を巧みにモデル化する非線形科学の第一人者が、「同期」をめぐる驚くべき科学上の成果を、絶妙な比喩を駆使して物語る、必読のポピュラー・サイエンス。
目次
第1部 生体における同期(ホタルはなぜ、いっせいに光るのか?;脳波と同期現象の条件;睡眠と日々の同期現象)
第2部 同期の発見(同期する宇宙;量子のコーラス;橋)
第3部 同期の探求(同期するカオス;三次元における同期;「小さな世界」ネットワーク;ヒトと同期)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yori
4
★★★★★ 数理モデル研究者が書いた本だけあって、一般向けとは言え、やや難しい所はあったけど、宇宙から量子、はたまたホタルから心筋、社会コミュニケーションに至るまで、ありとあらゆるところに存在する同調現象について。カオスの中に存在する秩序や、スモールワールドネットワークなど、他でちょっと知っていた知識がこの本の中で結びつき、それらも同調現象だったのかぁ、、と感じ入った次第。2012/02/06
tomato salda
2
日頃当たり前のように見過ごしがちな同期現象を、深く観察すると原子から宇宙にいたるまで統一された動きにみてとれるという良書。数学的な物の見方を一切数式を使わずに書いているのでものすごく分かりやすい内容で面白い。2012/04/13
k
1
面白かった。蛍の話かと思ったが違った。2020/09/13
パーやん
1
無数のホタルの発光の同期はマレーシアでもアフリカでも、観察される。採集したホタルの群れをホテルの一室に解き放つとバラバラに光っていたのが、次々に同期を始める。自然界の同期には解明出来ないものが数多くある...とか。所謂、つれメンから、月の自転と公転周期、心臓のペースメーカー細胞の振動の同期、コントロールする指導者もなく、外部からの指示もなく、約1万の細胞が同期して収縮運動を一生涯に亘って30億回繰り返す。...と、ここまではよかったが、以後、全く理解不能。掴みは良かったのだが、その解明となると微分方程式系2014/03/08
おたきたお
0
「同期」を基点として量子力学から社会現象まで論じる。純粋数学を身近な現象や先端技術の応用に適用しようとする意志は、今の学会を「タコツボ」と切り捨てる。その一方で「理論の美しさ」を追求する姿勢を包み隠さないところが謙虚だと思った。サーカディアンリズム・「非線形数学の近似が線形数学」というくだり(「リャプノフ時間」を介する)、「スモールワールド」の提唱が興味深い。「蔵本モデル」の創出には「直観」が大切な役割を負っていたらしい。この「蔵本モデル」を正確には理解できなかったが、この本の監修は蔵本氏自身であった。2006/01/01




